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「全国空き家相談士協会」が発足。9月に初の認定セミナー

「中小業者1社では取り組みが難しい中・大型の空き家再生ビジネスに、会員のネットワークで取り組んでいきたい」と抱負を語る林代表理事

 空き家の利活用ビジネスの振興による空き家問題の解決を目的とした「(一社)全国空き家相談士協会」が、29日に発足した。

 同協会は、空き家の利用・活用・管理・除却など空き家問題の解決に必要な知識を備えた人材(空き家相談士)の育成と、全国ネットワークの形成による空き家ビジネスの振興などを目的に、(一社)全国不動産コンサルティング協会(JRECA)とNPO法人東京都資産総合相談センターの主要メンバーが中心となって立ち上げたもの。代表理事には、JRECA会長の林 直清氏が就任したほか、両団体のメンバーが理事となっている。

 今後、事業を推進していく正会員(不動産会社、建設業者、リフォーム業者、各種士業資格者)を8~10月にかけ募集。正会員を対象に9~11月の毎月1回、「空き家相談士」の認定セミナーを開催する。セミナーは2日間・13時間かけ行ない、最終日の試験に合格した者が「空き家相談士」として登録できる。登録は2年間の更新制で、知識や技能を維持するためのウェブセミナーの実施なども検討する。

 年内に100~150名の有資格者を見込んでおり、次年度からは会員外からの認定も受け付ける。三大都市圏でセミナーを開き、700~1,000名の認定を目指す。

 有資格者は、全国各地で空き家相談や空き家再生事業に取り組み、協会を核に相互協力をして、空き家ビジネスを拡大していく。全国の会員が資金を出し合っての「空き家再生ファンド」組成も、次年度以降の課題としていく。また、行政に対する施策の提言なども行なう。

 30日会見した林氏は「公益社団法人では難しい空き家問題のビジネス化に取り組んでいく。中小業者1社では取り組みが難しい中・大型の空き家再生ビジネスに、会員のネットワークで取り組んでいきたい」などと抱負を語った。


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