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インスペクション活用で中古住宅流通活性化、改正宅建業法が閣議決定/国交省

 宅地建物取引業法の一部を改正する法律案が26日、閣議決定された。

 住宅ストックの有効活用、既存住宅流通市場の拡大による経済効果の発現、ライフステージに応じた住み替えの円滑化による豊かな住生活の実現といった政策課題に対し、宅建業者が、既存住宅の取引時において専門家によるインスペクションの活用を促すことにより、消費者が安心して既存住宅の取引を行なえる市場環境の整備を図るもの。

 法案の内容は、既存建物取引時の情報提供の充実を図るため、媒介契約締結時、建物状況調査(インスペクション)を実施する者のあっせんに関する事項を記載した書面を依頼者へ交付すること、買い主等に対して建物状況調査の結果の概要等を重要事項として説明すること、売買等の契約成立時に建物の状況について当事者の双方が確認した事項を記載した書面を交付することが盛り込まれた。また、消費者利益の保護の強化と従業者の資質の向上のために、営業保証金制度等による弁済の対象から宅地建物取引業者の除外、事業者団体に対する、従業者への対外的な研修実施努力義務の賦課も記載されている。

 これにより、インスペクションを知らなかった消費者のサービス利用促進、また、建物の質を踏まえた購入判断や交渉の普及、インスペクション結果を活用した既存住宅売買瑕疵保険加入の促進、などが期待されている。なお今回の法改正により2025年までに既存住宅流通の市場規模4兆円から8兆円、インスペクションを受けた既存住宅売買瑕疵保険の加入割合を5%から20%への引き上げが期待されている。


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