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集成材を集束させた部材を採用した建築技術訓練校が完成/ポラスグループ

「ポラス建築技術訓練校」外観。右が実習棟、左が事務所棟となる

 ポラスグループがかねてより進めていた「ポラス建築技術訓練校」(埼玉県越谷市)が竣工。12日、報道関係者に公開した。

 同校は、1987年に同グループが創設した企業内職業訓練校。伝統的な建築技術にとどまらず、最新の建築技術やノウハウを習得することを目的に、多様なカリキュラムを実践し、多数の技術者を輩出してきた。これまでに技能五輪全国大会で金賞2回、技能グランプリでは9回の入賞を果たし、697人が卒業している。
 
 今回竣工した建物は、敷地面積は約3,155平方メートル、延床面積約1,396平方メートル。実習棟(約549平方メートル)と事務所棟(同846平方メートル)からなる。一般流通集成材を複数本集束させることで、大断面の部材を構成することを可能とした「合せ柱・合せ梁・重ね梁」を新開発。構造体に採用。国土交通省の平成27年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)に採択されている。
 
 実習棟は平屋建てで、居室内研修室として利用する。最大30m×12mのスパンで、天井高6mの木造準耐火建築物となる。「合せ柱・合せ梁・重ね梁」を構造体に使用し、室内の主要な柱・梁を表しとしている。また、眺望に配慮し、合板パネルを意匠的に設置している。

 事務所棟は3階建てで、座学の教室として利用する。最大10m×12mスパンの木造準耐火建築物。実習棟と同様に「合わ柱・合せ梁・重ね梁」を構造体に使用。テラス外周部には木製格子パネルを設置し、木質感を演出した。

 同日会見した同社経営企画部経営企画室長の江本昌央氏は、「今年度も44名を採用しており、さらに優秀な建築技能者を育成していきたい。木造の非住宅にも注力していく方針で、この建物はそのモデルの役割を果たす。16年度は12棟、9億円強の売上を目指していく」などと話した。


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