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設計コンペを開催。最優秀賞作品を分譲住宅として商品化/三栄建築設計

公開審査会の様子

 (株)三栄建築設計は5日、「代官山ヒルサイドテラス」(東京都渋谷区)にて、同社初の「住宅設計競技」の公開審査会を開いた。

 実際に同社が分譲する敷地に対して、若手建築家がプランを、建築を学ぶ学生がアイディアを提案する設計コンペ。実際に建築・販売する作品を審査する「A部門」と、学生のアイディアを審査する「B部門」を設けた。作品応募件数はA部門が96点、B部門が67点。今回の公開審査会はA部門を対象とした。

 審査委員は、建築家の芦原太郎氏を審査委員長として、建築家・木下庸子氏と同社役員およびデザイン部門スタッフで構成した。題材となった敷地は東京都世田谷区北沢の4区画分譲地の1区画。京王井の頭線「池の上」駅にほど近い、東京大学リサーチキャンパスにも近い閑静な住宅街に位置しており、周囲の敷地は高低差がある。

 A部門の最優秀賞を受賞したのは、(株)空環境計画(石川県能美市)の常橋明浩氏が設計したプラン。3階建ての1階と3階にダイニングや寝室といった生活空間を配し、2階部分をワンルームのリビング空間に仕立てた。リビング内は段差を設け、敷地の高低差を生かして上下それぞれに庭を接続することで室内外のつながりも表現した。

 審査委員からは「2階の大空間をどうやって使おうか、想像力をかき立てられる。完成形を見てみたい空間だった」などと評価する声が挙がった。常橋氏は「普段活動している金沢と同様、北沢も豊かな土地だという印象を持っている。そうした土地と縁ができてうれしい」などと語った。

 同社は最優秀作品を商品化するための具体的な検討に移る。販売時期は2017年2~3月、販売価格は1億~1億1,000万円程度を予定しており、富裕層向けの商品に仕立てていく。「商品として実際に販売するにあたり、さまざまなな課題がある。三栄建築設計とパートナーシップを組んで、物件をつくっていってほしい」(芦原氏)。

 なお、B部門の最優秀賞は工学院大学大学院の瀬田周平氏、竹澤洸人氏、五十嵐 愛実氏、藤波 凌氏による「高床の住処」が受賞した。


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