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中高級路線の進化で戸建て・賃貸共に受注好調/積水ハウス

「中高級・高付加価値路線が受注の好調要因だ」と語る阿部社長

 積水ハウス(株)は9日、都内で2017年1月期第2四半期の決算説明会を行ない、代表取締社長の阿部俊則氏が決算概要や中期経営計画の進捗状況などについて説明した。当期の決算概要については9日付のニュースを参照。

 中期経営計画の最終年度となる今期は、各事業のバランスが取れた収益体質への変化に向けて、順調に進捗。営業利益は11年1月期(563億円)には建築請負が76%を占めていたが、今期(1,750億円見込み)は建築請負の割合が49%まで低下。賃貸管理などのストック型ビジネスと開発型ビジネスの比率が高くなっている。

 当期の戸建て受注高は2,060億円(前年同期比1.8%増)で、前年同期から6.2%の減少と予想していた期初計画を大きく上回った。阿部氏は「中高級・高付加価値路線を貫いてきたことが成功した。ネット・ゼロ・エネルギー住宅仕様“グリーンファースト・ゼロ”の比率は第2四半期末時点で72%となっており、政府方針を大きく上回っている」と語る。
 このほか高級外壁仕様の拡販、3階建て戸建ての積極展開などによって棟単価も上昇。1棟当たりの平均単価は3,741万円と、11年1月期に比べて約570万円上昇している。

 賃貸住宅については、相続税対策の需要が堅調なことに加え、3・4階建ての中高級系の商品力を強化したことで受注は好調。4階建ての型式認定取得や、自宅・賃貸・店舗など複合用途に対応しやすくする商品の開発、業界最高レベルの賃貸住宅用遮音床などによって、当期の受注高は2,407億円(同9.2%上昇)で、戸建てと同様に期初計画を大きく上回った。
 また、賃貸管理についても、11年から継続している都市部での展開強化が奏功しており、グループの賃貸管理戸数57万6,705戸の入居率は96.7%と高水準。また、東京エリアでの募集賃料は11年度の9万円台から15年度は11万5,000円にまで上昇している。「空き家の増加などが指摘されているが、“ただ建てるだけ”の賃貸住宅と、“経営する”賃貸住宅の差が出ているのではないか。当社は立地を厳選して高品質な建物を提案することで、安定した経営を実現している」(阿部氏)。

 主力の建築請負ビジネスだけではなく、リフォームや賃貸管理をはじめとしたストック型ビジネス、分譲住宅やマンション、再開発など開発型ビジネスも堅調に推移しており、中期経営計画の目標となる今期の売上高2兆円、営業利益1,750億円を目指す。


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