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物流の「これから先10年」をテーマにセミナー開催/JA-LPA推進協議会

「セミナーも10回目となった。皆さまに感謝している」などと話す望月委員長
会場の様子

 日本物流不動産評価機構推進協議会(JA-LPA推進協議会)は20日、第10回目となるセミナー「物流不動産の新時代~変貌の先に見えるもの~」を開催。250名が参加した。

 日本物流不動産評価機構は、物流不動産に関する評価、診断、賃料などのデータベースの提供などを目的に設立された有限責任事業組合。JA-LPA推進協議会は、同機構の設立に賛同した企業や有識者による非営利団体で、会員の相互交流による勉強会や研究会を開催している。
 
 10年目となる今回は、“物流不動産のこれから先10年について”をテーマとした。

 冒頭、同協議会委員長の望月光政氏が挨拶。「早いものでセミナーを開催して10年が経過した。この場を借りて皆さまに御礼を言いたい。また、今回は10回目の記念セミナーということで、国交省の川上参事官にお話をいただく。重要で貴重な事例が聞けると思うので、勉強してもらいたい」と話した。

 基調講演として、国土交通省大臣官房参事官(物流産業)の川上泰司氏が「最新の物流政策について」をテーマに講演。近年、非効率が発生している物流の生産性を向上させ、労働力不足を克服し、経済成長に貢献していくことが課題であるとし、そのためにも、トラック業務改革などの(1)「成長加速物流」や、受け取りやすい宅配便の整備などの(2)「暮らし向上物流」を推進し、物流事業の労働生産性を2割以上向上させることを目標とした「物流生産性革命」をオールジャパンで展開していく必要があると説明した。

 また、1日より一部改正・施行された「物流総合効率化法」の概要を説明した上で、物流分野における労働力不足、多頻度小口輸送の進展等を背景として、物流分野における省力化および環境負荷低減を推進するため、2者以上が連携した幅広い物流効率化の取り組みを支援する制度を紹介した。

 同氏は、今後の物流市場について、「労働力不足は喫緊の課題であり、トラック業界だけの問題ではない。人口減少や少子高齢化は避けられない課題」などと話した。 

 その他、昨年に引き続き(株)日本政策投資銀行企業金融第3部課長の土屋勝俊氏が、「マイナス金利と不動産投資~金融機関の視点から~」、同協議会委員長望月光政氏が「物流施設の診断・評価基準~施設の品質と機能の考え方~」と題したセミナー等を行なった。


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