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「DIY型賃貸借契約の可能性・有効性と今後の課題」テーマに講演会/RETIO

講演会の様子

 (一財)不動産適正取引推進機構は15日、「すまい・るホール」(東京都文京区)で、第101回 講演会「DIY型賃貸借契約の可能性・有効性と今後の課題」を開催した。

 講演会では、国土交通省の個人住宅の賃貸流通の促進に関する検討会やDIYの契約書式を含む賃貸住宅標準契約書式の改定に関する検討会の座長を務めている京橋法律事務所弁護士の犬塚 浩が「個人住宅の賃貸流通の促進に関する調査報告について(DIY型賃貸借の活用)」(国交省・2015年3月公表)をもとに、DIY型賃貸借のバリエーションとして、「借主負担による改修」「貸主負担による改修」「事業者負担による改修」「各当事者(貸主と借主、貸主と事業者、借主と事業者、三者合同)負担による改修」の各事例を紹介。DIY型賃貸借契約における留意点として、工事前の確認事項やDIY実施部分の所有権の帰属、原状回復義務・費用償還請求権・造作買取請求権などについてそのポイントを解説。これらの問題が解決されれば、DIY型賃貸借のある程度の道筋ができるとした。

 次に、16年4月に公表された「DIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブックについて」に関し、その概要を説明。国土交通省の「賃貸住宅標準契約書(改定版)」を活用することを前提に、その他必要な書式として「特約事項の例」、DIY工事に関する「申請書兼承諾書」、工事内容等を記載し申請書に添付する「別表」、新規作成する書類として所有権、明け渡し時の収去等、原状回復、費用清算などに関する「合意書」について、それぞれ実例を挙げて解説した。

 また、大規模改修を伴う場合の留意点として、改修に関する詳細な協議・取り決めのほか「公租公課」「連帯保証人への通知」「中途解約時の清算」などを挙げて注意を促し、参加している不動産事業者に向け「空き家が増える現状を考えれば今後は、従来の枠を大きく超えた新しい賃貸借の形態をつくっていく必要がある。リスキーな部分もあるが、今日ご紹介した事例などを参考にDIY型賃貸借に取り組み、多くの実績をつくっていただきたい」などとまとめた。


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