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スムストック専用の瑕疵保険提供へ/優良ストック住宅推進協議会

「スムストック成約件数年間1万件を達成したい」と語る和田会長
事業報告では、年間の成約件数が1

 優良ストック住宅推進協議会は20日、笹川記念会館(東京都港区)にてシンポジウム「スムストックレポート2017」を開催。活動報告や会員からの事例発表を行なった。

 同協議会は2008年に設立し、現在は住宅メーカー10社とその傘下の不動産会社で構成。一定の基準を満たした既存戸建住宅を「スムストック」と名付け、スケルトンとインフィルの分離査定による値付けなどを展開している。冒頭、同協議会会長の和田 勇氏(積水ハウス(株)代表取締役会長兼CEO)が挨拶し、「世の中はスクラップ&ビルドの時代ではなく、古い家を循環させていく時代。会員10社のこれまでの建築実績は約360万戸、1年で約1万4,000戸が流通しているが、我々はまだそのうちの11%程度しかスムストックとして成約できていない。認知度を高めていき、いつか年間1万件の取引実績を実現したい」などと述べた。

 その後、同協議会代表幹事の松島雄一氏が事業報告を行なった。16年度(16年7月~17年6月)の成約件数は1,600件(前年比10%増)になる見込みで、期末の累積成約数は6,790件となる見込み。物件の査定等、仲介実務を行なうスムストック住宅販売士は16年末時点で4,738人(同508人増)となった。
 また、16年11月末までの成約事例を分析。取扱物件の平均像は築年数16.7年、延床面積128.19平方メートル、建物成約額は1,072万円で、新築時の建物価格(2,351万円)の約46%の価格を維持している。築年数別では、築21年以上の物件が32.3%を占めた。築21年以上の建物平均価格は527万円。築31年以上でも、平均で299万円の建物価格で成約していることも分かった。土地・建物を含む査定額と成約額の平均差異も1%程度と、ほぼ査定額通りに成約できているという。

 今後の拡大に向けてはスムストック専用の既存住宅瑕疵担保責任保険を打ち出す。住宅保証機構(株)の「まもりすまい既存住宅保険」をベースに、同社と共同開発した。協議会の会員各社が検査機関となることで、住宅履歴・定期点検記録・スムストック住宅販売士による査定時点検を組み合わせて保険加入の事前検査と位置付ける。保険料等は会員各社が負担する。
 2~3月にかけて研修を実施し、今春より、準備が整った会員から順次導入を開始。当面は、メーカー保証の切れた物件において保険加入を進めていく。


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