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中古ビル再生事業最大規模の「ザ・パークレックス 平河町」が稼動/三菱地所レジデンス

「ザ・パークレックス 平河町」外観。外構に植栽を施した
ガイアックスの執務スペース。フロアの中央に耐震補強のブレースが設置されている

 三菱地所レジデンス(株)は27日、築年数を経過した中小ビル等を再生して賃貸する「Reビル事業」の9棟目となる「ザ・パークレックス 平河町」(東京都千代田区)の竣工に伴い、内覧会を開催した。

 同事業は築年数の経過した既存ストックを一括賃借し、同社負担でリノベーション工事を実施。その後に転貸し、一定期間経過後、オーナーに返還するもの。具体的には、同社がテナントニーズを見定めたリノベーションやコンバージョンを企画し、(株)オープン・エーにリノベーション設計を委託。物件情報サイト「東京R不動産」などと連携し、テナントを募集するスキーム。
 
 「ザ・パークレックス 平河町」は東京メトロ半蔵門線、有楽町線「永田町」駅徒歩2分に位置。京セラ(株)が所有する築44年のビルで、鉄骨鉄筋コンクリート造地上6階地下1階建て。延床面積は3,616.21平方メートルと、同事業としては最大規模となる。

 ザ・パークレックスシリーズについては、ITやコンサル・クリエイターといったカスタマイズニーズの強いテナントが入居するケースが多いため、同物件では、“シンプルなスケルトン仕上げ”をテーマにリノベーションを実施。天井板や床タイルを撤去したあと、クリア塗装を実施。新たに天井や床の設置はせず、表れたコンクリートの風合いを全面に押し出す仕様とした。また、まちの活性化に寄与すべく1階は店舗フロアとし、オープンカフェを誘致することで賑わいを創出。さらに従前は駐車場だった外構スペースに多彩な植樹を施したほか、1階の外構通路に一定範囲のみに聞こえる「サウンドミュージアム」を設置するなどまちとの調和を図っている。

 同ビルは3月1日より本格稼動となるが、すでに満室稼動が決定しており、(株)ガイアックスが「永田町グリッド」という名称で運営していく。同社の本社が入居する他、シェア事業者やスタートアップ企業が集まるシェアオフィスとして展開していく予定。

 同社Reビル事業室室長の鶴見弘一氏は、「建物は人に使ってもらってこそ価値があると考えている。今回、ガイアックスさんのような勢いのある企業に入居してもらえ、血が通ったような印象がある。また、同事業は2017年中に計15棟の着手を目指しているが、現在仕込み中の物件もあり、順調に進捗している」などと話した。


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