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東京・練馬の築40年の共同住宅を再生/三井不動産、青木茂建築工房他

「アンソレイユ氷川台」外観
従前の写真。築年数に加え、耐震検査で耐震性が不足していることが判明してからは、3年間新規入居者を獲得できず、入居率は5割を切っていたという
間取り、設備、内装を一新し、新築と遜色ない仕上がりに

 三井不動産(株)、三井不動産レジデンシャルリース(株)、(株)青木茂建築工房の3社は、27日に、リファイニング工事を実施した共同住宅(東京都練馬区、総戸数28戸)の完成見学会を開催した。

 三井不動産と青木茂建築工房は業務提携し、リファイニング建築(耐震補強、増築、大規模修繕などの工事種別で検査済証を再度取得する)の手法を用いて旧耐震基準の建築物を再生するコンサルティングサービスを提供している。今回完成した物件は、その手法を活用して取り組んだ事例。

 東京メトロ有楽町線「氷川台」駅徒歩4分に立地する、1977年築の共同住宅。再生にあたり、内外装・設備・間取りの一新、エレベーター新設、現行法制へ適合させるための各種工事を行なった。

 耐震補強の面では、廊下側の耐力壁の厚みを120mmから150mmにしたほか、エキスパンションジョイント(建物が壊れないように設けた建物間の継ぎ目)の幅を60mmから130mmに拡幅。さらに塔屋を撤去し鉄筋コンクリート造の階段を鉄骨階段に変更することなどにより軽量化を図り、耐震性を確保した。

 専有部は、従前は面積42.15平方メートル・間取り2DKだった部屋を1LDKに、49.50平方メートル・3DKだった部屋を2DKと1LDKに変更。サッシ、内装、設備も含めて全面的に刷新した。

 なお、完成後に物件名を「アンソレイユ氷川台」と名付け、入居者募集を開始。募集賃料は、従前よりはアップし、エリアの新築募集賃料より5~10%ほど安い1LDKで10万9,000円から、2DKで12万1,000円からに設定しているが、反響は上々だという。


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