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地場景況感、賃貸は6エリアで改善/本社調査

 (株)不動産流通研究所は、2017年1~3月期の「地場の不動産仲介業における景況感調査」(第13回)の結果を公表した。アットホーム(株)に研究委託し、四半期ごとに実施している調査。

 北海道、宮城県、首都圏、静岡県、愛知県、近畿圏、広島県、福岡県のエリアごとに前年同期と比較した業況判断指数(DI)を算出。「50」が前年並み。アットホームの全国不動産情報ネットワーク加盟店のうち、都道府県知事免許を持ち5年を超えて不動産仲介業に携わる2万4,535店の経営者層を対象にインターネットで調査した。有効回答数は592店。

 17年1~3月期の賃貸仲介DIは、北海道39.3(前期比13.2ポイント低下)、宮城県35.0(同7.7ポイント上昇)、首都圏46.3(同6.4ポイント上昇)、静岡県43.2(同3.7ポイント上昇)、愛知県46.1(同8.0ポイント上昇)、近畿圏47.4(同7.5ポイント上昇)、広島県39.3(同10.7ポイント低下)、福岡県51.1(同9.4ポイント上昇)、6エリアでDIが改善した。福岡県では前年よりも業況が改善したことを示す50を超えたものの、北海道と広島では10ポイント以上低下し、明暗が分かれた。

 17年4~6月期の見通しDIは、北海道54.2、宮城県31.7、首都圏38.1、静岡県43.2、愛知県43.4、近畿圏43.0、広島県42.9、福岡県45.5となった。北海道で50を超えたほか、静岡県以西では40台となり、慎重な見方は崩していないものの前年に近い水準で推移するとみる向きが強まっている。

 回答した不動産会社からは、「単価が上がり、即決のお客さまが多かった」(川崎市)、「設備が充実した物件へのニーズが強くなった」(兵庫県芦屋市)など、ポジティブなコメントが寄せられる一方、「人気・不人気物件の差がはっきり出た。不人気物件は値下げしても決まらない」(東京都府中市)など、市場の二極化を指摘する声も上がった。

 売買仲介DIは、北海道48.6(同2.8ポイント低下)、宮城県40.0(同3.1ポイント低下)、首都圏43.2(同0.2ポイント上昇)、静岡県48.8(同15.2ポイント上昇)、愛知県48.0(同11.9ポイント上昇)、近畿圏43.1(同6.5ポイント低下)、広島県38.9(同7.5ポイント低下)、福岡県56.0(同8.4ポイント上昇)。福岡県で50を超えたほか、中部エリアの静岡県、と愛知県で大幅な改善となった。

 17年4~6月期の見通しDIは、北海道47.2、宮城県42.5、首都圏42.2、静岡県46.5、愛知県49.5、近畿圏40.6、広島県44.4、福岡県47.6。全地域で40台となり、期待と不安が入り混じる結果となった。

 不動産会社からは、「価格高騰で買い控えが目立つ一方、既存の希望が増加した」(東京都新宿区)、「動きの良い物件と反響が弱い物件とに二極化している」(浜松市)、「売却と賃貸を並行して考えるお客さまが増えた」(大阪府茨木市)といった市況の変化を指摘する声が多く上がった。


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