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築61年、日本初の民間分譲Mを建て替え

「四谷コーポラス」外観

 旭化成不動産レジデンス(株)は、日本初の民間分譲マンションとされる「四谷コーポラス」(東京都新宿区、総戸数28戸)の建て替えに事業協力者として参画。9月に解体工事に着手する。

 同マンションは、1956年竣工。62年の区分所有法施行以前の建物で、所有形態の位置付けや共用部の管理責任などが明確ではなかった時代に初めて民間企業による運営管理がなされた。また、住宅ローンが現在のように一般的でない中で割賦販売が導入されるなど、その後広く行なわれているマンション販売の先駆けとなった。

 再生計画については、建て替え・大規模修繕等の検討会が2006年にスタート。その後東日本大震災をきっかけに耐震性能への不安や、建物の高経年化に伴う給排水管の老朽化などの理由から建て替えを中心に検討が進められ、17年3月25日に管理組合による建替決議が成立、5月に全員合意が成立した。

 JR「四谷」駅徒歩5分に位置。敷地面積1,020平方メートル、延床面積2,290平方メートル、鉄筋コンクリート造地上5階建て。間口が狭く南北に長い敷地のため、共用部をコンパクトにし住戸内にできるだけ空間を創出する工夫として、当時珍しかった「メゾネットタイプ」の間取りを取り入れている。

 建て替え後は、鉄筋コンクリート造地上6階地下1階建て、延床面積2,767平方メートル、住戸数51戸(うち販売戸数28戸)となる予定。今回の建て替えでは、区分所有者の大半が再建後のマンションを再取得するため、再取得住戸については権利者の要望に応えるオーダーメイドの住戸プランニングを予定している。販売住戸については、単身者やDINKSをターゲットに1~2LDK(専有面積38~55平方メートル)とする計画。


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