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長崎の伝統的建造物を取得、高級ホテルに改装

取得した伝統的建造物の外観

 森トラスト(株)は7月31日、長崎県長崎市の歴史的価値のある土地・建物(通称:マリア園)を取得したと発表。同物件を活用し、同社初の九州でのインターナショナルラグジュアリーホテルの開業を目指していく。

 同物件は、長崎港を望む高台にあり、幕末・明治期に外国人居留地として諸外国の領事館や住宅が軒を並べた南山手地区の南端に位置する。地上3階地下1階建て、敷地面積4,826平方メートル、延床面積3,266.32平方メートル。1898年に建設された建物は、近隣の重要文化財「旧グラバー住宅」、国宝「大浦天主堂」などとともに、国選定重要伝統的建造物群保存地区の伝統的建造物に特定されている。

 市内でも希少な赤煉瓦づくりの建物は、美しい建築様式で南山手地区を代表する建物の一つとなっている。日本におけるイエズス会修道院本部や修道院として使用され、長崎のキリスト教の歴史において重要な役割を担ってきた。

 長崎市は、2015年にユネスコの世界遺産に登録されるなど、豊かな観光資源に恵まれており、近年は観光客数や観光消費額が過去最高を記録。九州新幹線の「長崎」駅までの延伸(22年暫定開業)も予定されるなど、さらなる発展が期待されていることから、ラグジュアリーホテルの誘致も求められている。

 同社では、歴史価値のある建造物を次世代へ継承したインターナショナルラグジュアリーホテルへと整備する事業を進め、その魅力を広く世界に発信することを目指していく。


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