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21年以降、東京・名古屋のオフィス賃料上昇傾向

 (一財)日本不動産研究所と三鬼商事(株)で構成する「オフィス市場動向研究会」は30日、2025年までの東京・大阪・名古屋のオフィス賃料予測(17年秋)を発表した。(公社)日本経済研究センターが行なった、「標準シナリオ」(以下、標準)と「改革シナリオ」(以下、改革)の2通りのマクロ経済予測をもとに予測した。

 東京ビジネス地区では、17年は新規供給が約25万坪で過去平均(30万坪/年)より少なく、マクロ経済の好調により空室率は3.3%に低下、賃料は7.4%上昇し賃料指数は118になると予測。
 18年は、大量供給が起き空室率が4.4%となるも、それ自体は低く、賃料は1.9%上昇すると見ている。19年は10月の消費税増税を受け、空室率は5%強まで上昇、賃料は2.5%前後下落。20年もその影響が続き空室率は6%を超え、賃料は4%低下するとみている。
 25年の空室率は標準が4.5%、シナリオが3.5%とどちらもやや低下、賃料指数も標準が116、シナリオが129と、いずれも増加すると見込んでいる。

 大阪ビジネス地区では、17年は新規供給が少なく、空室率が3.9%まで低下、賃料が7.8%上昇と上昇幅が拡大するとしている。
 18年は新規供給で南海会館の建替え等があるが、空室率はどちらのシナリオでも3.5~3.6%まで低下、賃料は6%前後上昇する予測。19年は新規供給で大阪郵便局の建替えが延期となり、空室率は3.5%前後で横ばい、賃料はマクロ指標の悪化を受け上昇幅が縮小して2~3%の上昇にとどまる見込み。20年にはさらに供給が減り空室率は低い水準で横ばい、賃料は1~2%上昇するとみている。
 25年の標準は、空室率が微増して4.2%に、賃料指数は下落して116に。改革は空室率は横ばい、経済成長率が1~2%と高くなる影響で賃料は年率2%前後の上昇が続き、賃料指数が131まで上昇すると予測している。

 名古屋ビジネス地区は、17年にJRゲートタワーやささしま24地区でグローバルゲートが竣工予定、新規供給が過去最大の12.6万坪となるも、エリアの需要が強く、空室率は4.9%に低下、賃料は1.2%上昇する見込み。
 20年までは新規供給が少なく、20年は空室率の標準が4.0%、改革が3.9%とどちらも低下。賃料は標準が2.4%上昇、改革が3.6%上昇するとしている。
 25年の標準は空室率5.4%と上昇、賃料指数は111と横ばい。改革は空室率が3.9%と横ばい、賃料指数は年率2%前後の上昇が続き、123になると予測している。


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