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音楽賃貸の専門コンサルが管理会社にレクチャー

遠藤氏(中央)による仲介営業マンに対するレクチャー

 賃貸管理にコンサルタントを起用した楽器演奏可能賃貸マンション「ムジカーレ東十条」(東京都北区、総戸数19戸)が竣工し、25日に募集を開始した。(株)ハウスメイトパートナーズが管理する。

 同物件はJR「東十条」駅より徒歩4分。建物は鉄筋コンクリート造地上7階地下1階建て。地元企業の社有地活用プロジェクトで、1・2階にはオーナー企業が本社を置く。作業場を社内に置くことや立地が線路沿いであることから、防音性能を高めた。オーナーが音楽を趣味にしていることもあり、入居者の音楽ライフを応援したいという思いから楽器演奏を可能にした。

 防音性能は各住戸内で楽器の練習をしたり、オーディオで音楽を大音量で聴いたりしても、外部にはほとんど音が漏れないほど高い。広めにとった共用廊下や各住戸に大型玄関ドアの採用によって、グランドピアノなどの大型楽器を室内に入れる際もスムーズにできるようにしている。これに加えて、バスルームの追い焚きやグレードの高いキッチンなど、賃貸住宅としての基本スペックも高い。

 この物件の管理を受託したハウスメイトパートナーズでは、コンサルタントとしてM LIFE(株)代表取締役の遠藤 麻生実氏を起用。遠藤氏は音楽大学でホルンを学んだあと、不動産会社で経験を積み、現在は楽器可物件を集めた物件サイトの運営を手掛けている。

 遠藤氏は、賃料設定や入居ルールづくり、仲介営業による案内方法、入居後に入居者から寄せられる困りごと相談対応など、多岐にわたってコンサルを実施。「入居ルールづくりのために防音試験を実施して、演奏可能な楽器を選びました。大型の打楽器は不可でしたが、音の性質上、ご遠慮いただくことが多い低音楽器(コントラバスやチューバなど)も演奏可能となるなど、防音性能の高さが光っています」(遠藤氏)。

 21日にはハウスメイトパートナーズの仲介営業スタッフが遠藤氏の指導で同物件への案内手法を学んだ。「楽器演奏可能な賃貸物件は増えていますが、管理会社としても、専門知識を持たないまま管理するのは不安があります。遠藤氏のコンサルがあるからこそ安心して管理ができるし、適切な入居者に入居していただくことができます」(ハウスメイトパートナーズ営業本部東京営業部課長・谷 尚子氏)。

 専有面積は26.27~42.63平方メートル。間取りは1K~1LDK、19戸に対して13プランを設定するなど幅広いプランを用意。月額賃料(共益費込)は9万8,000円~15万9,000円。

線路沿いに建つ「ムジカーレ東十条」外観
住戸内の基本的なスペックも高い
「音楽が好きな人を支援したいというオーナーの思いに共感しました」と語る遠藤氏


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