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断熱改修に血圧下げる効果/国交省

 国土交通省は25日、2014年度から行なっているスマートウェルネス住宅等推進事業に関連して支援している、住宅断熱化による居住者の健康への影響の検証について、2回目の中間報告結果を発表した。1回目は17年1月に実施した。

 調査は14~18年度の5年間、断熱改修を予定する全国約1,800軒・約3,600人を対象に、改修の前後における居住者の血圧・生活習慣・身体活動量などを検証している。

 起床時の居間の室温別に、居住者の収縮期血圧が高血圧基準値以上となる確率を調査。朝の居間室温が18度の場合、男性は40歳8%、60歳33%、80歳73%、女性は40歳2%、60歳11%、80歳41%が高血圧になるという結果になった。また、高血圧基準値以上が調査対象者の2分の1未満に減る居間室温は、男性は60歳で14度、70歳20度、80歳24度、女性は70歳で11度、80歳で17度。また、朝の居間平均室温が低い家に住む人の動脈硬化指数が高く、心電図異常が多いという検証結果も得た。

 また、断熱改修前後の血圧変化を調査すると、改修後は改修前に比べて平均血圧が2.8mmHg低下したことも確認した。さらに、断熱改修後には夜間頻尿の回数も減っているという結果もある。

 これらの結果により、住宅室内環境が血圧など健康関連事象に関連していることが分かった。


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