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三菱地所、人が自然に集まる新本社公開

「移転を通じ、当社ならではの価値の創出につなげたい」などと述べる吉田社長

 三菱地所(株)は9日、1月5日に移転した「大手町パークビルディング」(東京都千代田区)内の新本社を報道陣に公開した。

 同ビルの3~6階(約3,600坪)。新本社では、コミュニケーションを活性化し、より生産性の高いワークプレイスの構築を目的に、オフィス全体をひとつの大きな「PARK」に見立て、人が自然に集まってつながる「場」をとなるオフィスづくりに努めた。

 部長以下の社員は自由に自席を選択し執務できる「グループアドレス」制度を導入。事業担当役員の個室も撤廃し、フラットな空間を実現した。
 また、社員同士のコミュニケーションの機会を増やすため、3~6階の専有部フロア内を自由に行き来できる内部階段を東西2ヵ所に設けた。
 読書や執務に利用できる「ライブラリ」や、社員食堂から脱却し、ワークプレイスとして機能するカフェテリア「SPARKLE」など、多様な空間も整備。現オフィス全体の3分の1を占める共用スペースを整備した。

 本社移転に合わせ、制度面での働き改革も推進。人事制度改革と併せたテレワーク制度を全社で展開し、仮眠制度なども導入し、仮眠室も設置した。「働く時間」と「休む時間」のメリハリをつけた働き方の推奨として、一定時間を置いて仕事に就くことを求めるインターバル勤務制度も取り入れた。

 新技術の実証実験も実施。指紋認証を用いたセキュリティチェックおよび社員個人の銀行口座と連携した決済システム、社員の位置情報やフロアの混雑状況を把握できるシステム、受付を対応するサービスロボットなどを実験的に導入している。

 同社では、新オフィス環境で得た知見やノウハウを、今後の顧客への提案やオフィスビルの商品企画、まちづくり事業に生かしていく考え。
 会見した同社執行役社長の吉田淳一氏は「これまで新築ビルはテナントに提供し、当社は築年数40~60年のビルにオフィスを構えてきたが、技術革新が非常に激しい世の中になり、オフィスを取り巻く環境が急速に変化している。その変化を先取りし発信していくためにはわれわれ自身が変わり続けなくてはならない。また社内の課題として働き方改革を推進するためにも、移転を決意した。移転を通じて当社ならではの価値の創出につなげたい」などと抱負を述べた。

4階オフィスフロアでは斬新なデザインを採用。「グループアドレス」制度を導入しフラットな空間を実現
ライブラリースペース。現オフィス全体の3分の1を占める共用スぺースを設置した


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