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17年下期、不動産取引市場は堅調に推移

 (一財)日本不動産研究所(JREI)は27日、「不動産取引市場調査」(2017年下期)の結果を公表した。JREITや東京証券取引所等の公表事例を独自に集計。01年上期以降、約2万3,600件の取引事例を収集してデータベース化している。

 不動産取引市場の規模は、07年上期に約3兆円でピークに達し、リーマンショックが生じた08年下期には約1兆円程度まで市場が縮小。政権交代後の13年上期以降は、2兆円超と大幅に拡大した。15年下期に1兆8,000億円程度に縮小したが、その後は緩やかな増加傾向で推移している。17年下期は約2兆2,000億円。

 地域別の取引金額割合は、16年上期以降、都心5区・東京23区内の割合が減少。地方でもモノ不足感が進行する中、17年上期・下期とも、首都圏の割合が増加した。また、17年の年末にかけて外資系機関投資家による大型取引や、REITのリバランス等が相次ぎ、17年下期の都心5区の取引金額割合は増加に転じた。

 取引主体については、REITの買い越しが目立った。特にリーマンショック以降、唯一買い越しを続けるプレーヤーとして存在感を増している。17年は外資系プレーヤーが勢いを増す中、REITは静観姿勢を維持しており、REITの買越額は大幅に減少。REITが主導してきたマーケット構造に変化の兆しが見えてきている。

 外資系プレーヤーの動向については、16年下期のトランプ政権誕生以降、円安トレンドへの転換とともに、外資系プレーヤーの取得金額も増加。17年下期の外資系プレーヤーの取得金額は、過去2番目に多い約6,800億円に達し、REITの取得金額に迫る勢い。


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