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住団連、成熟社会での住宅の役割を議論

「高齢者の住まいについては、住んでいる地域によって支援状況が異なる。そうした面も考慮した提案ができれば」と話す吉田座長

 (一社)住宅生産団体連合会は、2018年度第1回目となる成熟社会居住研究会(座長・吉田 肇(株)マザアス代表取締役)を開催。50名以上が参加した。

 同研究会は、11年に制度化された「サ高住」の課題や郊外住宅立団地の再生や研究などを行なっている。今回は、「郊外住宅団地の超高齢化、地域包括ケアシステム、サ高住、住宅のBF(バリアフリー)化」をテーマにした3つの基調講演とパネルディスカッションを行なった。

 基調講演では、(株)吉武都市総合研究所代表の吉武 俊一郎氏が「郊外住宅地の超高齢化と再生の可能性-これまでの成熟研での取り組みを通じて-」をテーマに、これまで同氏が手掛けた住宅地の再生事例を紹介。セキスイオアシス代表(兼)積水化学工業(株)住宅カンパニーフロンティア事業統括部高齢者事業グループ長の岸 英恵氏は「民間企業と地域包括ケアとの関係-住宅のBFリフォーム地域ケアの拠点形成等を通じて-」をテーマに、バリアフリーリフォーム事業での人材育成の重要性と顧客へのアプローチ方法などを解説した。また、えいじんぐ・でざいん研究所所長で、元・成熟研座長の平山良平氏は、同氏も講師を務める京都SKYシニア大学の様子を紹介。高齢者の好奇心の強さや学ぶ意識の高さを伝えた上で、こうしたヤングシニアの育成・支援に可能性があるとした。

 国土交通省住宅局安心居住推進課長の石坂 聡氏および基調講演者3名をパネラーとしたパネルディスカッションでは、同研究会のプロデューサーである明治大学理工学部教授の園田 眞理子氏がファシリテーターとなり、民間企業として、高齢者向け住宅の課題にどのように関わっていくべきかについてなど、意見を交換。「建築分野と介護分野は縦割りになりがちだが、それを融合させられるのが住宅メーカーかもしれない」、「地域に関わっていくためには、各社が連携して勉強会を開催してはどうか」といった意見が挙がった。


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