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英国インテリアデザイン協会が日本進出

今回改修した住戸は、海や船をイメージしたインテリアを配置している

 (一社)英国インテリアデザインビジネス協会(BABID、代表理事:澤山 乃莉子氏)は19日、リノベーション事例の見学会を開催した。

 BABIDは2016年に設立。インテリアデザイナー等で構成する英国インテリアデザイン協会(BIID)と協力し、インテリアデザインによる不動産の価値アップに取り組んでいる。「英国では、インテリアデザイナーは建築家、コーディネーター、アートディレクター、マーケティングなど、複合的な役割を担っています。そうしたインテリアデザイナーを日本に紹介していくことで、日本の住宅やホテル等の価値向上を目指しています」(澤山氏)。

 20日には、BIIDが初の海外支部となる日本支部を設立。BIIDの日本人会員約30人が中心となって活動していく。「日本には伝統や高い美意識などがあるにもかかわらず、内装への投資が少ない。BIIDでは、日本をインテリアデザインの有望な市場だと見ています」(同氏)。

 英国では10億円で購入した住宅を8億円かけて改修し、40億円以上で売却が成立した事例もある。「日本でも、低価格の古民家を数千万円かけて改修し、家具付きで1億円以上で売却した事例があります。世界の富裕層が顧客ターゲットとなります。今後、BABIDが窓口となって日本国内の住宅会社や不動産会社と連携していきたい」(同氏)。

 今回リノベーションしたのは、複合リゾート「逗子マリーナ」(神奈川逗子市)のマンション棟(築43年)のうちの1室。専有面積91平方メートルの1LDKをスケルトン状態にしてから抜本的につくり変えた。

 インテリアデザイナーには、BIID元会長で、Tessuto Interiors Ltd.のクリエイティブディレクターであるスージー・ランボルド氏を起用。ランボルド氏は、ブリティッシュコロニアル様式に日本のテイストを織り交ぜたデザインを提案。玄関や室内ドアを日本の鳥居から着想した赤系の色で染め、開口部に近づくにつれて逗子マリーナらしく海と船をイメージした青と白の建具を多用した。

 改修費用は約4,000万円。当面はオーナー企業の保養所として使用し、秋口をめどに家具付きでの売却活動に移る計画。

日本の鳥居から発想を得て赤系に染めたドア
住戸内の収納スペースや棚を充実。海と船をイメージから「世界を旅して集めたものを飾る」ことを表現したという


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