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サステナブルなまちづくりをテーマにシンポ

シンポジウムの様子

 (一社)団地再生支援協会と神奈川県住宅供給公社は17日、「第15回 団地再生シンポジュウム:サステナブルなまちづくり~“広域での安定”と“エリアの活性化”~」を開催。約170人が参加した。

 「近未来計画学」の研究を進める筑波大学教授の谷口 守氏、都市計画家・ドルトムント大学名誉教授のクラウス・クンツマン氏が講演した。

 谷口氏は、日本の都市を「生き物」に例えて、都市が成人病状態であると指摘。渋滞等が「循環不全」、郊外化が「肥満化」、空き家増が「骨粗しょう症」の状態と似ているとした。また、人口減少や少子高齢化、空き家増の中、郊外のニュータウン内での大規模住宅への建て替え、高層マンションの乱立などは、「ガン」が発病している状態であると説明。同氏は「健康な都市をつくるためには、開発地だけをみるのではなく圏域全体の見取り図を考え、長期的視点に立った計画が必要不可欠」と話した。

 クンツマン氏も、都市と市民が健康(身体的、精神的そして社会的に安寧)であることが重要であるとした。また、まちづくりは、ボトムアップのプロセスが重要であるとし、地域の人が参加しながら、プランニングからマネージメントが統合的に行なわれ、既存の都市の一部が再活性化し、環境や既存ビジネスが保全されることが理想であると解説。「さまざまな活動の調整役である近隣コミュニティマネージャーの設置が重要となる」と話した。


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