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東急不HD、学生レジデンス事業を加速

CAMPUS VILLAGE赤羽志茂」外観
居室内。洗面とユニットバスが備わるほか、東急ハンズと共同開発した家具が設置されている。これらの家具は、今後の開発物件にも採用していく

 東急不動産(株)は、2014年度から段階的に進めてきた学生レジデンス事業を加速する。自社ブランド「CAMPUS VILLAGE」第2弾となるCAMPUS VILLAGE赤羽志茂」(東京都北区、全233室)を竣工。20年度中に、首都圏9物件、関西圏(京都)3物件を稼働する。

 同社の学生レジデンス事業は、同社が用地を取得し建物を建設、東急不動産ホールディングス(株)傘下の(株)学生情報センターが運営、トラックレコードを積んだうえでファンド等に売却するのが基本スキーム。(株)東急ハンズの購入割引、(株)イーウェルの福利厚生メニューの提供、(株)東急コミュニティーによる交流イベント開催など、グループ一貫による付加価値付けで差別化していく。

 「CAMPUS VILLAGE赤羽志茂」は、東京メトロ南北線「志茂」駅徒歩8分に立地。約4,200平方メートルの敷地は工場跡地で、隅田川に隣接。建物は地上8階建て。居室はすべて14平方メートル台で、東急ハンズと共同開発したオリジナル家具(ベッド、机、椅子、マットレス)と照明、カーテンを設置(地上5階以上は電子レンジ、冷蔵庫も設置)。1階のカフェテリア(食堂)で朝晩の食事を提供。シェアキッチン、シェアライブラリー、男女別ランドリーなどが備わるほか、イベント等の舞台となる中庭も設けた。緊急時の安否確認システムのほか、カードキーによるトリプルセキュリティとし、学生の安全を守る。

 賃料は、月額4万9,000~7万2,000円、月額共益費1万8,000円、食費1万7,000円(月単位の選択制)。すでに90室に申込みが入っている。男女比は1対1。

 27日に会見した同社執行役員住宅事業ユニット首都圏住宅事業本部本部長の大谷宗徳氏は「東急グループ各社のサポートにより、他にはない新しいライフスタイル、親御さんが安心でき、学生が新しい生活をスタートできる、家族がいるような“第2のふるさと”を目指している」とし、「19年度中に5物件・600室、20年度中に12物件・約1,450室の運営を目指す。中期的に、業界トップとなる年間1,000室開発体制まで拡大したい」と抱負を述べた。また、入居者のさらなる利便性を高めるため、IoTを活用した食堂など共用部の混雑通知システムも導入を検討している。

 今年度はさらに川崎・元住吉(65室)と京都・西京極(113室)をオープンする。なお、ブランド第1弾の「椎名町」(167室)は、すでにファンドに売却済み。


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