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老人ホーム入居者の健康寿命延伸策を公表

シンポジウムの様子

 神奈川県住宅供給公社は28日、シンポジウム「生涯自立のための “プロセス・イノベーション”~ 食事・運動・生きがいの改善による健康寿命延伸 ~」を開催。約80人が集まった。

 同公社は、介護保険制度が制定される前の1990年、「入居時自立」を条件とした介護付有料老人ホームを全国の公的機関で初めて開設。以来、有料老人ホーム7物件を供給してきた。入居者の高齢化に伴い 、2017年4月に「健康寿命延伸プロジェクト」をスタートし、 今回のイベントではその内容を公表した。

 同プロジェクトでは、「生涯自立」を目指し、入居者の「食事」「運動」「生きがい」といった生活習慣の水準を高める取り組みを推進している。中でも基本となる「食事」では、医師の協力のもと、神奈川県産直の旬の食材、動脈硬化等の原因になるAGE(終末糖化産物)の発生しない調理法、食事ごとの5大栄養素計算、摂取状況管理、個人データにもとづく食事内容変更およびサプリメント投与などを採用。入居者の健康状態が向上するなど、一定の成果が出ているとした。同公社理事長の猪股篤雄氏は、「有料老人ホームを運営し、多くの知見と経験を得た。このノウハウを広く周知することで、高齢化が進む社会の役に立ちたい」と話した。

 そのほか、同プロジェクトに協力する、医療法人社団凰和会理事長の高山瑠衣氏、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所運動科学研究室長の青栁幸利氏、元神奈川県立循環器呼吸器病センター長の遠山愼一氏が、健康寿命延伸に必要な栄養素、ウォーキング方法、血管の老化防止策などについて、最新の研究データや事例をもとに講演した。


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