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テレワークが新たなビジネスチャンスに/不動協

 (一社)不動産協会は22日、「オフィスの未来に関する調査」結果を公表した。

 2018年度の同協会の調査研究として、(株)ザイマックス不動産総合研究所が受託し、IoT等の新技術の活用が進展していく近未来(5~10年先)に向けた企業のオフィス戦略のあり方などについて調査した。首都圏の企業の経営者・経営企画部門を対象に、「オフィスの未来に関するアンケート」(郵送&インターネット調査・有効回答数328社)、「オフィスワーカーの働き方に関する調査」(インターネット調査・有効回答数2,060人)を実施。企業先進事例の研究および未来の働き方、技術動向、海外事情などの専門家へのインタビューも行なった。

 調査結果では、今後の企業に求められることは、単なる生産性向上ではなく「イノベーション」だと強調。人が集まって働くことのよる「創発、イノベーションの生まれやすさ」の価値を57%の起業が重視しており、30年の未来予測として「イノベーション創造のため人のリアルな交流の価値が見直され、オフィスの集約が促進する」と回答した企業は62%に上った。それら結果から、「場」としてオフィスが重要な役割を担うとしている。

 また、新たなビジネスチャンスとして、近い将来より進展すると思われるテレワークが新しい不動産ビジネスを生むと指摘。テレワークの場を提供するシェアオフィス事業が日本でも急速に普及し、テレワーク支援のためのICT投資をしている企業も66%に及んでいる。その一方で、テレワークの場所を整備している企業は26%に留まっており、よりイノベーティブな場とサービスを融合させた「不動産サービス化」が不動産事業において重要だとした。

 テレワークが促進される一方、本社機能については、都心への集約が維持される傾向だと分析。集まって働くことと分散して働くことをうまく組み合わせた「ハイブリッド」なオフィス戦略が今後の一つの流れになるとしている。オフィスマーケットとしては、近未来のオフィス戦略が、テレワークが進展しても本社、拠点ともに増床が減少を上回ることから、オフィス床面積の需要は減らず、オフィスニーズは拡大する可能性があるとした。


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