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三井不、イノベーション創出支援へ賃貸ラボ

新築する「(仮称)三井リンクラボ新木場」外観完成イメージ

 三井不動産(株)は、ライフサイエンス領域におけるイノベーション創出支援の取り組みとして、賃貸ラボ&オフィス事業を開始する。

 同社はこれまで、ライフサイエンス・イノベーション推進事業として、(一社)ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)と連携した「コミュニティの構築」、日本橋ライフサイエンスビルシリーズやシェアラボなどの「場の整備」、ライフサイエンス系ベンチャー企業へのLP投資を行なう「資金の提供」に取り組んできた。新たに「場の整備」の一環として、都心近接地での本格的なウェットラボ(創薬や再生医療等の研究者が液体気体等を使って実験する場所)とオフィスが一体化した施設の賃貸事業に着手する。

 「三井のラボ&オフィス」事業は、LINK-Jとの連携によりハードとソフトを一体で提供する。共通実験機器室のほか、共有の会議室、コミュニケーションラウンジなども整備する。初弾は、第一三共(株)と連携して、同社葛西研究開発センター内の一部フロアを賃借して「(仮称)三井リンクラボ葛西」(東京都江戸川区)を開設。総貸付面積2,247.5平方メートルで、1区画約30坪前後。共通実験機器室も設置する。竣工(リニューアル)は2019年9月の予定。

 第2弾は、新木場に「(仮称)三井リンクラボ新木場」(東京都江東区)を新築。敷地面積3,300.06平方メートル、総貸付面積7,540平方メートル、1区画約30坪~1フロア約480坪まで必要に応じた区画割も可能とする。竣工は20年12月の予定。その後は、都心近接型と共に、SEEDS(ベンチャー起業成長初期に当たる準備段階)近接型として、大学等の研究機関や先端医療施設等の近接地でも展開する計画で、第3弾は柏の葉スマートシティ(千葉県柏市)での開設を予定している。

 30日会見した同社常務執行役員/LINK-J理事の植田 俊氏は「LINK-J会員の要望から潜在的なニーズを見込み、新しいアセットクラスとして本格的な賃貸ラボ事業に着手した。従来より持っているネットワークをフルに活用し、また新たなソリューション提案としても、スピード感を持って拡大していきたい」などと抱負を述べた。


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