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長谷工、不動産事業を強化。地方展開も加速

地方中核都市でのマンション供給に意欲をみせた天野社長

 長谷工グループで不動産分譲事業を担う(株)長谷工不動産ホールディングスの代表取締役社長・天野里司氏が3日、専門誌記者と会見。今後の事業戦略について語った。

 同社は2017年4月に発足。長谷工グループのディベロッパー部門として分譲マンションや賃貸マンション開発事業を手掛ける一方で、15年に子会社化した総合地所(株)と(株)ジョイント・コーポレーション、賃貸管理会社の(株)ジョイント・プロパティを統括していた。今年4月に機構改革により、ジョイント・コーポレーションを「(株)長谷工不動産」と社名変更し、長谷工不動産ホールディングスの分譲マンション・賃貸マンション事業を移管。純粋な持株会社となっている。

 今後は、首都圏・近畿圏の2大都市圏では、総合地所が「ルネ」ブランドで主としてファミリー向け分譲マンション事業を、長谷工不動産が「ブランシエラ」ブランドでコンパクトマンションを手掛けていく。並行して、長谷工不動産が中部圏も含めた全国の県庁所在地での分譲マンション事業を拡大していく。「新たに大阪支店、九州支店、沖縄営業所を設け、仕入れを強化してきた。総合地所は、(株)長谷工コーポレーションの土地持ち込み・施工を基本とするが、長谷工不動産は地場ゼネコンとも組んでいくことで、地方都市での事業に対応していく。建て替え案件や再開発も取り組んでいく」(天野氏)。

 長谷工グループの19年3月期の分譲マンション計上戸数は約600戸(長谷工不動産ホールディングス+長谷工不動産100戸、総合地所500戸)で地方圏はほとんどなかった。これを数年かけ約1,800戸(総合地所、長谷工不動産それぞれ900戸)にまで拡大。「このうち、地方圏で3分の1、約650戸を供給したい」(同氏)とした。

 また、長谷工不動産では、賃貸マンションや学生マンション、ホテル等の開発事業も強化する方針。賃貸マンションは「リブウィズ」をテーマに、ライフスタイル特化型、ライフサイクル特化型の物件を供給していく。付加価値創造に特化していくことで、物件の収益力を高める。「入居者から、次の事業のヒントをもらうのが狙い。出口は考えず、自社で運営することで、ディープデータを取得していく」(同氏)。得られたデータは自社内だけでなく、長谷工グループ全体で共有していく。


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