不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

全国主要都市の「特性」を6分野で数値化

 (一財)森記念財団・都市戦略研究所は10日、「日本の都市特性評価2019」を発表した。

 政令指定都市および県庁所在地など国内の主要72都市と東京23区を対象に、「経済・ビジネス」「研究開発」「文化・交流」「生活・居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野、83指標(統計・アンケート)をもとにスコア化し、各都市の「特性」を数値化した。18年度より開始し今回で2回目。より現実に即した評価とするべく今回新たに「クリエイティブ産業従業員割合(文化・交流)」「災害時の安全性(安全・安心)」「外国人住民の受入体制(生活・居住)」など新たな指標を取り入れた。

 主要72都市の合計スコアでの1~3位は、京都市に福岡市、大阪市が続いた。前回と同様の順位となったが、3位の大阪が「経済・ビジネス」「交通・アクセス」分野で突出し、福岡市に迫る勢いを見せた。また、前回13位だった松本市が「文化・交流」分野でスコアを伸ばし10位にランクインしている。

 分野別スコアで変動が目立ったのが「生活・居住」分野。前回7位だった豊田市が新規指標の「外国人住民の受入体制」「保育ニーズの充足度」で高スコアを得たことによりトップとなった。そのほか、「新規住宅供給の多さ」で評価を上げた鳥取市が15位から7位に、「外国人住民の受入体制」でスコアを上げた甲府市が19位から8位に、「保育ニーズの充足度」で評価を上げた浜松市が18位から9位にランクインしている。また、「環境」分野でも「再生可能エネルギー自給率」を高めた津市が17位から5位に、「年間日照時間」や「気温・湿度が快適な日数」「EV充電スタンドの多さ」などでスコアを伸ばした宮崎市が10位から3位にランクアップしている。

 東京23区における合計スコアは、千代田区、港区、中央区の順。江東区が「新規オフィス供給面積(経済・ビジネス)」で大きくスコアを伸ばし、10位から7位となった。

 調査の評価・分析を主導した同財団理事で、明治大学名誉教授の市川宏雄氏は、「地方創生に向けた政策立案ツールとしての活用などを想定している。この調査により、似た都市との比較でどこが弱いかを把握することができ、それを踏まえた上で、特性を生かした都市づくりに活用していただければ」などと述べた。

 同調査の概要版は同財団HPよりダウンロード可能。


最新刊のお知らせ

2024年6月号

「特定空家」にしないため… ご購読はこちら