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小田急、下北沢エリアの線路跡地開発の概要公表

「下北線路街 空き地」の様子

 小田急電鉄(株)は、小田急小田原線の「代々木上原」駅から「梅ヶ丘」駅にかけての鉄道地下化に伴う線路跡地の開発計画「下北沢地区上部利用計画」の概要を明らかにした。

 計画地は「東北沢」駅・「下北沢」駅・「世田谷代田」駅周辺で、敷地面積は合計約2万7,500平方メートル。開発コンセプトは「BE YOU. シモキタらしく。ジブンらしく。」。エリア名称は「下北線路街」として、事業者主導でまちの姿を変える開発ではなく、エリアの生活者や就業者等の活動を支援する「支援型開発」をテーマとする。

 エリアになかった機能として、都市型のホテルや、日帰り入浴も可能な温泉旅館といった宿泊施設を整備するほか、これまでのまちの多様性やコミュニティを補完・強化する施設を開発していく。「下北沢」駅の駅上商業施設「シモキタエキウエ」を11月に開業するほか、起業家を支援するための店舗兼用住宅の長屋を集めた商店街「BONUS TRACK」や、ライブや演劇などのパフォーマンスができる設備を備えたエンターテインメントカフェなど、さまざまな商業施設を整備していく。

 コミュニティスペース等を併設した保育園や学生寮なども整備していく。24日にはその一環として、20年度末までの期間限定イベントスペース「下北線路街 空き地」が開業。同施設では、常設のカフェやキッチンカースペース、期間限定で店舗を開けるレンタルキッチンなどで構成しており、地域の住民や店舗が自由な発想でイベントを開催できる。

 また、世田谷区による駅前広場や通路の整備、京王電鉄(株)による高架下商業施設の開発と連携し、地域全体の回遊性向上も図っていく。

 20年度をめどに開発が完了する予定。開発後は、道路など公共空間利用の促進など、官民連携によるエリアマネジメントに力を入れていく方針。

 24日には、同社取締役社長の星野晃司氏、世田谷区長の保坂展人氏らが会見。星野氏は「このエリアは、特徴が際立っていて誘引力も強い。地域の価値観を大切にしながら、地域住民の活動を支援していきたい」と述べた。また、保坂区長は、「下北らしさを生かしながら、文化を引き継ぎ、発展させることを期待している」などと語った。


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