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マンション管理適正評価報告書案について議論

 (一社)マンション管理業協会を事務局とする「マンション管理適正評価研究会」(座長:齊藤広子氏/横浜市立大学国際教養学部教授)の第3回会合が、27日開催された。

 今回は、管理情報の評価項目についての見直しと、同研究会報告書案の骨子について方向性を示し、意見を出し合った。

 評価項目のうち、前回指摘のあった数項目の内容を修正。管理規約原本は発効年月を明記すること、現行の管理会社の管理受託開始時期を示すこと、自主管理・管理会社委託(全部、一部)、第三者管理など委託(受託)形態を明確にすることなどとした。等級評価についても、標準管理規約への準拠状況、修繕積立金会計収支、長期修繕計画書の有無、耐震性(耐震診断の実施)などの評価を変更。専有部向けサービスは、人により評価が変わるものであるとして、評価項目からは削除した。

 また、事務局が「適正な管理」基準(案)の方向性を提示。評価基準は、業界横断的な基準を構築し、5年ごとに見直すとしたほか、管理会社やマンション管理士などによる情報の登録を業務化する。登録した内容については、管理業務主任者・マンション管理士など国家資格者による評価を実施。登録制度を浸透させるため、法律等の改正や、初年度登録への補助・助成制度および登録で受けられるインセンティブが必要であると指摘した。管理状況の情報は、年1回の総会終結後に更新。管理組合の情報と個人情報保護法の関係を整理することも提案した。
 先行的に関連団体と共同して自主的に取り組む必要性も示し、流通団体には関連団体において統一の評価基準を採用し市場に公開する仕組みづくりを、不動産公正取引協議会連合会には不動産の表示に関する公正競争規約に管理等級の表示に関しても規定することを打診した。

 これらに対し、出席した委員からは「物件広告媒体やポータルサイト等への等級評価の表示をするにしても、消費者に誤認されないよう、どう評価された結果なのかを明確に示すべきではないか」「下位ランクのマンションが流通しなくなる懸念がある」「評価を公開する際は管理組合の承諾が必要なので、公開するマンションが限られてしまうのでは」「是正報告を随時反映させるなど評価を上げる仕組みづくりが必要ではないか」といった意見が挙がった。

 次回の会合は12月19日を予定。今回議論された内容を踏まえ、とりまとめ案を検討する。


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