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五輪後の景気変動踏まえた「東京の強み」解説

セミナーの様子。左が市川氏、右が天崎氏

 (株)ボルテックスは10日、「首都東京の真実!なぜ今、東京に投資すべきなのか?」と題したセミナーを開催した。東京2020オリンピック・パラリンピック後の景気変動や首都直下型地震の発生リスク、都内各所で進む大規模再開発、リニア中央新幹線の開通等、さまざまな不安・期待材料を分析し、東京の強みを考察した。

 初めに、東京の政策に長年携わってきた明治大学名誉教授の市川宏雄氏が解説。不安視されている五輪不況について「五輪後の景気変動には、五輪に向けた投資額が関係する」とし、「1964年の東京オリンピック後の不況は、第二次世界大戦からの復興をアピールするため、国家予算の3分の1もの資金をつぎ込む無理な開発をしたのが原因。今回は、良質なストックを生かし開発を最小限に抑えて開催するため、そうした景気の反動も見込まれない」などと語った。

 同社取締役CMO兼100年企業戦略研究所所長の天崎 日出雄氏は「企業経営の視点から見る東京の価値」について講演。不動産事業が本業ではない鉄道会社、メディアや、国外のファンド等が東京の地価の安定性を見込み、都内に不動産を保有しているとし、「世界最大級の政府系ファンドであるノルウェー年金基金も『グローバルなビジネスが集結し、長い目で市場の成長が期待できる』と不動産投資を行なうほど、東京の地価の安定性は折り紙付き」などと語った。

 今回のセミナーは、登壇した両氏の共著『新・東京進化論』出版を記念したもの。同書では、同セミナーの内容をさらに深堀りし、東京を分析。ロンドンやニューヨーク等海外都市との比較も行ない、東京の強み、課題等をまとめている。発行元は(株)幻冬舎、定価は1,300円(税別)。


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