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東京Aグレードオフィス空室率、1%以下を維持

 JLLは16日、2019年第3四半期の「ジャパン プロパティ ダイジェスト」を発表した。日本のオフィス、リテール(店舗)、ロジスティクス(物流)、ホテル市場の空室・賃料・価格動向、需要・供給動向および12ヵ月予測をまとめている。

 東京のAグレードオフィス市場は、空室率が0.6%(前期比0.1ポイント低下、前年比0.9ポイント低下)。2四半期連続で1%を下回る水準となった。賃料は、月額坪当たり3万9,536円(同0.7%上昇、同5.0%上昇)。30四半期連続で上昇したものの、上昇ペースは減速した。渋谷、新宿を含むサブマーケットが上昇を牽引している。価格は、前期比4.6%上昇、前年比15.0%上昇。賃料上昇と投資利回りの低下を反映した。

 今後12ヵ月は、賃料・価格ともに上昇するも減速する見通し。賃貸市場は、低位な空室率を背景に、賃料は年末にかけて緩やかに上昇すると予測されるが、20年以降は若干調整される可能性があるとしている。投資市場は、投資利回りが20年に一層低下する可能性があるものの、価格の上昇ペースは減速する見込み。

 大阪のAグレードオフィス市場は、空室率が0.2%(同0.1ポイント低下、同0.9ポイント低下)。調査開始(04年末)以来、最も低い水準を2四半期連続で更新した。賃料は、6四半期連続で対前年比上昇率10%を超える大幅な上昇となり、月額坪当たり2万2,585円(同3.2%上昇、同11.4%上昇)。21四半期連続で上昇し、上昇ペースも前四半期より加速した。中心業務地区全体で上昇が見られた。価格は24四半期連続の上昇。前期比8.6%上昇、前年比31.2%上昇となった。投資利回りは調査開始(03年末)以来、過去最低値を2四半期連続で更新している。

 今後12ヵ月は、賃料・価格ともに上昇する見通し。賃貸市場は、今後の供給が極めて限定的であることから、空室率は引き続き低水準で推移。賃料の上昇モメンタムを下支えする見込み。投資市場は、投資利回りに一層の低下余地があると見られることから、これと賃料上昇を反映して価格は上昇する見通し。

 東京のリテール市場は、銀座空中階賃料が上昇を牽引。賃料は、月額坪当たり8万1,872円(同1.1%上昇、同2.8%上昇)となり、上昇ペースは加速した。価格は前期比4.7%上昇、前年比5.2%上昇。賃料上昇と投資利回りの低下を反映した。

 東京のロジスティクス市場は、空室率が2.0%(同1.3ポイント低下、同3.1ポイント低下)。賃料は、月額坪当たり4,283円(同0.2%上昇、同1.3%上昇)となった。価格は、前期比0.2%上昇、前年比6.6%上昇。

 東京のホテル市場については、5ツ星ホテルの運営パフォーマンスは、1日当たり販売可能客室数当たり宿泊売り上げが、19年初来9月までの累計で前年同期比6.0%の増加となった。客室稼働率は前年同期比で0.7%の微減だったが、客室単価は同7.0%増。ホテル投資マーケットは、ホテル売買取引件数は増加しているが、宿泊主体型ホテルが中心で、フルサービスホテルの取引は少なく、東京の5ツ星ホテル売買取引も見られなかった。


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