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ホテル、オフィス等が好調に推移/建設8大市場調査

 (株)矢野経済研究所は、建設8大市場(住宅、商業施設、オフィスビル、ホテル、工場、物流倉庫、学校、病院)に関する調査結果を発表した。建設会社、不動産会社、各分野の参入企業を対象に、同社専門研究員が直接面接によるヒアリング、および各種業界関連資料などの整理・分析を併用した。調査期間は、2019年1~3月。

 18年度の建設投資は、民間住宅投資は貸家が着工減となったが、19年度は駆け込み需要の影響により持家および分譲住宅の着工戸数は増加が見込まれる。マンションは13年以降、近接を希望する購買層が増加し、都心回帰を目指す中高年の住み替え需要も旺盛となったことで、新築・中古ともに価格の上昇傾向が続いている。

 都心では、インバウンドの増加でホテルが好調。5年連続で増加傾向にあり、市場規模も成長している。好調なインバウンド需要に支えられ、19年以降も客室稼働率・運営成果がさらに高まる見込み。
 商業施設も、都心の再開発ラッシュに合わせ、地下でも商業施設の集積が進んでいる。インバウンドの消費を狙った設備投資は、20年以降も続くと予想。
 また、好業績の企業が事務所移転により効率化を図る中で、オフィスも好調に推移。東京のオフィスビル大量供給は、大型ハイグレードビルを中心に20年まで継続する一方、地方では大規模な供給が乏しいことから、需給のひっ迫がしばらく続く。

 なお、17年度における建設工事出来高から見た主な建設分野の市場規模(金額ベース)では、建設工事費全体は30兆5,236億円。内訳は、民間工事が26兆5,967億円(87.1%)、公共工事が3兆9,269億円(12.9%)(国土交通省統計より)。分野別の構成比では、「住宅」が55.1%と最も多く、「事務所」「工場・作業所」「学校」「倉庫」と続いた。


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