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ファシリティマネジメントの先進事例を共有/JFMA

セミナーの様子

 (公社)日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)は19~21日、「ファシリティマネジメント フォーラム 2020」を開催した。

 ファシリティマネジメント(FM)とは、企業・団体等が保有・使用する全施設資産とその利用環境を、経営戦略的視点から総合的に管理、活用するための経営活動を指す。同イベントはFMの推進を目的に毎年開催。今回で14回目。

 今回は、同協会がFMに関連した優れた業績等に対して毎年表彰している「日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)2020」受賞者等による講演会や、見識者によるパネルディスカッションなどを行なった。

 最優秀ファシリティマネジメント賞を受賞した神奈川県住宅供給公社による講演では、約7年前より実施しているFMの考え方を踏まえた経営改革について発表。改革では、PDCAサイクルを全業務に導入し、予算管理と実行の連携を深めているとした。また、1万3,500戸の賃貸住宅のあらゆる情報を総合データベース化することで、円滑な管理・運営を実現、問い合わせの増加や空室率の低下につながっていると解説した。同社理事長の猪股篤雄氏は「コールセンターの機能を内部にあえて設けることで、生きたユーザーニーズが把握できるようにした。当初、社内で反対意見もあったが、それを3年かけて説得し実現した。結果的には団地再生のヒントになるなど、当社の財産となっている」と述べた。

 また、約20年間にわたり、FMとのつながりが深いリノベーション事業を継続してきた実績が評価され功績賞を受賞した(株)ブルースタジオ専務取締役の大島芳彦氏は、これまで手掛けてきた事例を振り返り、「リノベーションは、不動産価値の最大化だけでなく、その不動産に関する物、事、時間の3点をデザインし直すことで地域価値の最大化を図る取り組み」と話した。


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