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入社式、不動産・住宅各社は新型コロナ踏まえた対応

 新型コロナウイルスの影響を受け、不動産・住宅各社は1日、2020年度の入社式についてウェブ配信形式を採用するほか、延期にするなどさまざまな対応を行なった。各社の対応状況や社長訓示については、以下の通り。

三井不動産(株)
三菱地所(株)
東急不動産ホールディングス(株)
住友不動産(株)
野村不動産ホールディングス(株)
東京建物(株)
(株)大京
(株)長谷工コーポレーション
森ビル(株)
中央日本土地建物グループ(株)
森トラスト(株)
三菱地所レジデンス(株)
東急グループ
住友不動産販売(株)
東急リバブル(株)
東京建物不動産販売(株)
大和ハウス工業(株)
積水ハウス(株)
積水化学工業(株)
旭化成ホームズ(株)
パナソニック ホームズ(株)
三井ホーム(株)
ポラスグループ

三井不動産(株)
※入社式はウェブ配信(新入社員が自宅でライブ配信を見る)形式で開催、社長訓示は以下の通り。新入社員62人。

<代表取締役社長 菰田正信氏 入社式挨拶(要約)>
 入社おめでとうございます。皆さんを心から歓迎します。

 三井不動産グループの歴史は、日本の経済・社会の発展とともに、その時代の「パラダイム転換」を捉えた、新たな「価値創造」の歴史です。その価値創造に果敢にチャレンジし、常に自らのビジネスをイノベーションすることが、当社グループのDNAであります。
 世界の先進国では少子高齢化や環境問題などの社会課題を抱えていますが、我々は街づくりを通して様々な社会課題を解決し、持続可能な社会を実現することを目指しています。グループビジョンで示す「&マークの理念」は、多様な価値観を「どちらか」「OR」ということで選択するのではなく、「どちらも」「&」として両立・共存させようというものです。お客様の価値観の多様化に応えていくためには、当社自身の中に多様性を取り入れ、多様な価値観・多様な才能を持った人材が持てる力を最大限に発揮し、シナジーや化学変化を起こせる会社にならなければなりません。

 入社にあたり、皆さんに期待すること、心掛けていただきたいことは、以下の5点です。
 まず「自立した個人」になること。今日を新たなスタートラインと位置づけ、自らの力で人生を切り開き、高い志を果たしてください。
 二つ目は、「幅広い視野を持つ」こと。社会、経済の変化の激しいダイバーシティの現代において、自らの可能性を最大限に伸ばしていくためには、「好奇心」や「ネットワーク力」、価値ある情報を選び取る「感性」が必要です。社内外・世代を問わず、「人との交流」「出会い」を大切にし、物事を見る視野・人間の幅を「外向き」志向で広げてください。
 三つ目は、「チャレンジスピリットを発揮する」ということ。仕事をしていくうえで、様々な困難に直面することがあります。そういう時こそ、当社グループのDNAであるチャレンジスピリットを発揮していただきたいと思います。
 四つ目は、「健全な心身を保つ」こと。常に心と体の健康を保てるよう、十分な自己管理を心掛けてください。新型コロナウィルス感染拡大防止に関しても、今言われている3つの密のような空間に立ち入らない等の自己管理をしていただきたいと思います。
 当社は、多様な人材が自分にあった働き方でその能力を最大限発揮できるよう「働き方改革」に取り組んでいます。労働時間に制約があるという前提で、限られた時間で最大限の成果をあげ、それ以外の時間は、家族と過ごす時間も含め「個人を豊かにする時間」に充てようというものです。それが、社員としての人間の幅を拡げ、ひいては会社の組織としての力を強くすることにつながり、さらには社員の心身の健康を保つことにもつながるからです。

 そして最後は、「社会人としてのコモンセンスを持つ」こと。世の中の不祥事のほとんどは、常識の欠如に起因するものです。「コモンセンス」がしっかりしていれば、ごく自然にコンプライアンスの態勢がとれるはずです。
 現在、新型コロナウィルスの世界的な蔓延により、世界全体が困難な状況に直面しています。皆さんはこのような混乱の中、社会人としてのスタートを切ることになり、いろいろ不安もあると思います。この新型コロナウィルスの問題については、まずは感染を収束させること、そしてこの問題から発生した経済的ダメージを回復させること、そして、テレワークの進展やEコマースの拡大などコロナ後のマーケットの変化に的確に対応していくことが大事だと考えています。
 当社の行っている事業は、社会的意義が大きく、人々に夢と感動を与えられる産業です。当社グループが、魅力あふれる企業グループであり続け、今後もたくましく成長していけるよう、共に頑張りましょう。

三菱地所(株)
※入社式は当初予定していた形式から規模を縮小して開催、社長訓示は下記の通り。新入社員は45人。

<執行役社長 吉田淳一氏 2020年度入社式社長挨拶要旨>
 昨年度に当社グループの新たな経営計画として「長期経営計画2030」を策定した。

 われわれのやっている「まちづくり」は世の中に必要とされている。感動的な時間、空間を提供し続ける骨太の企業グループを目指している。働き方や時間の過ごし方、暮らし方など、幸せや喜びに関わる色々なことに興味をもって、失敗を恐れずにチャレンジを続けてほしい。

 足元、新型コロナウイルスにより不安に思っている皆さんも多いと思うが、会社をあげ感染防止に取り組み、社員や関係者の方々を守りサポートしていくので、安心してほしい。現在、在宅勤務としており、明日からの皆さんの研修も一定期間、在宅で実施することになるが、自分の身を守ることが、周りの方々の身を守ることになり、それが、東京、世界を守ることにつながる。自覚して行動してほしい。

 最後に、明けない夜はない。明けて再スタートを切ったあかつきには、みなさんとともに日本のことを世界に向け、加速して発信していく。長期的な視野を自分なりに持ち、当社の一員として当社グループの価値創造の原動力となることを期待している。

東急不動産ホールディングス(株)
※入社式は例年、東急グループ合同で開催しているが中止。同社で例年執り行なう新入社員向けの会合および社長訓示の発表も中止。新入社員は31人。
なお、新入社員研修はeラーニングとテレビ会議による無人研修(講師のみ出社しzoomで配信、新入社員は在宅)で行なう。

住友不動産(株)
※入社式の開催および社長訓示の発表は中止。新入社員は70人。

野村不動産ホールディングス(株)
※入社式は自宅待機の新入社員に向けてオンライン会議システムを活用して開催、社長訓示は以下の通り。新入社員は308人。

<代表取締役社長 沓掛英二氏 新入社員に向けた社長祝辞>
 皆さんは、本日から野村不動産グループのそれぞれの会社に入社されると同時に、野村不動産グループの一員となります。グループの役職員全員で、皆さんの入社を心よりお祝いし、歓迎いたします。

 当社グループは皆さんもご存知の通り、野村不動産における住宅の「プラウド」ブランドに象徴されるように2000年代以降マンション開発を中心に事業を大きく成長させ、近年では、オフィスや物流・商業施設等、中長期での大規模な複合開発の街づくりを、多数手掛けてきています。また不動産リートをはじめとした資産運用ビジネスに早い段階で参画し、日本トップクラスの資産を運用しています。

 不動産関連サービスにおいては、不動産の仲介や法人関連のCREビジネス、マンションやオフィス等の管理・運営事業、フィットネスやシニア住宅、ホテル開発等を着実に拡大させています。そして、グループ全体として中長期の経営目標を掲げ、一丸となって企業価値を向上させています。

 入社にあたり、皆さんに伝えたいことが1点あります。
 野村不動産グループは、まさに「未来志向」の企業グループであるということです。
 野村不動産グループの企業理念は「あしたを、つなぐ。私たちは、人、街が大切にしているものを活かし、未来(あした)につながる街づくりとともに、豊かな時を人びとと共に育み、社会に向けて、新たな価値を創造し続けます。」というものです。
 この理念を、お客様や社会に対する「私たちの約束」とし、不動産開発や不動産に関連するサービス・マネジメントビジネスの発展を目指しています。

 足元では、新型コロナウイルス問題等により激変する経済環境や、社会の変化が待ち受けています。その環境を乗り越えていく為には、皆さん一人一人が自分自身の確りとした「未来像と目標」を持って、野村不動産グループの一員としてスタートして頂きたいと思います。
 当社グループは、皆さんの「未来や目標の実現」のための「組織や仕組み」を整えていると確信しています。

 今日から、まさに社会人生活がスタートしますが、楽しいことより、辛かったり、苦しかったり、壁に直面することが多いと思います。そんな時は、是非、一人で悩まずに、皆さんをサポートしてくれる人事部、またインストラクターや先輩、上司に迷わず相談してください。
 そして「焦らず、一歩ずつ」進んで行ってください。
 野村不動産グループは、人材を最も大切な財産として成長してきた企業であります。その姿勢は今後も揺るぎません。最後に、私から皆さんにお願いがあります。本日は、是非とも、今日まで育ててくれたご両親や親族の方に、自らの言葉で野村不動産グループに入社した報告と、感謝の気持ちを伝えて頂きたいと思います。成長へ導いてくれた人や組織に対して、感謝や思いを忘れずにしっかりと伝えることは大切です。皆さんには、明るい未来が待っています。この新型コロナウイルス問題が改善の方向に向かい、明るい笑顔の皆さん方とお会いできることを楽しみにしています。

東京建物(株)
※入社式は開催、社長訓示は下記の通り。新入社員は20人。

<代表取締役 社長執行役員 野村 均氏 入社式祝辞(抜粋)>
 皆さん、本日は入社おめでとうございます。新しい仲間を迎えることができ、大変嬉しく思います。(一部省略)

 当社は明治29年10月に設立され、昨年創立123周年を迎えました。これは長い歴史の中で、創立者・安田善次郎翁が旨とした“お客様第一主義”と“進取の精神”を大切にし、社員一人ひとりが時代の要請を細大漏らさず把握し、しっかりと応えてきた積み重ねの結果だと考えています。

 当社の企業理念は「信頼を未来へ」です。この企業理念は、お客様や地域の方々から信頼を得るためにはどうすればよいか、社員一人ひとりが考え抜き、行動し続けることによって、初めてその意味するところが相手に伝わり、理解されるものです。また、この企業理念は社外に対してのものだけではありません。社内や東京建物グループ内においても、お互いに仲間として信頼し合い、「この人とまた一緒に仕事がしたい」「この仲間と最後までやり遂げたい」と思えることにより、初めて本当の意味でのシナジーが生まれてくるはずです。

 今年から2024年を区切りとした5ヵ年の中期経営計画を推進しており、また長期ビジョンとして『次世代デベロッパーへ』を掲げました。「次世代デベロッパー」とは、「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立させる企業のことです。変化が激しく、不確実性が高まっている時代のなか、様々な課題が顕在化しています。当社グループは「デベロッパー」が果たす役割も大きく変わるべきであると考えこのビジョンを掲げました。また、当社は、一昨年に「全員営業の実践」というテーマを設定しております。これは、グループで手掛ける幅広い事業領域のどの分野に携わっていても、全員がグループの各事業に役立とうという意識を持ち徹底して実践していくことによってグループの稼ぐ力を向上させ、最終的に「社会課題の解決」のみでなく「企業としての成長」をも成し遂げることを表しています。そして、それには、日頃から部門を超え、役職員みんなで楽しみながらコミュニケーションを深めていくことが不可欠です。社内・社外で築き上げた“信頼”が未来へ亘っても続いていくことで、「次世代デベロッパーへ」という目標が初めて達成されますし、これが当社のあるべき姿だと考えています。皆さんもそのような観点で物事を考えるようになってほしいと思います。

 最後に、身体は全ての資本であり、健康なくして何事も成し得ることはできません。当社は、優れた健康経営を実践している企業として、『健康経営優良法人2020』に認定されております。今後も一人ひとりの健康の維持・増進活動を積極的に推進していきますが、健康管理には自分で責任を持ち、くれぐれも留意し気をつけて社会人生活を過ごしてください。

 そして、皆さんの成長が当社発展の原動力となることを期待しています。以上、私からの祝辞といたします。

(株)大京
※入社式は中止、社長訓示は以下の通り(新入社員向けにライブ配信)。新入社員は116人(グループ)。

<代表取締役社長 小島一雄氏 新入社における訓示>
 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。総勢116名の皆さんが本日ここに入社されたことを、役職員一同、大変うれしく思います。

 本日は、皆さんが社会人として第一歩を踏み出す記念すべき日です。この日を迎えるにあたり、ご家族をはじめ、お世話になった方々への感謝の気持ちを忘れず、新たな決意を持って社会人生活をスタートしていただきたく思います。

 社会人としての基本については、研修でしっかりと学んでいただきたいと考えますが、現状、私たちが直面している新型コロナウイルスの影響における課題を、3つお伝えしたいと思います。まず、役職員およびその家族の安全、その生活の安心をどう守っていくかということ、次に、私たちの既存のお客さまのサービス、商品をどう継続的に提供するかということ、最後に日々の活動における各関連企業や協力企業との関係をどう円滑に進めていくかです。

 私たちは、住宅の分譲や仲介などでの住宅の提供に加えて、グループで50万戸を超えるマンションの管理や、全国の大学や病院や空港、オフィスなどの設備の維持メンテナンスを行っています。こういったインフラに関わるもの、日々の生活に直結するサービスを、円滑かつ継続的に提供していく必要があります。各協力企業も我々と同様の課題を抱えているため、常に情報を共有し、最善の決断を行うよう努力しています。

 今後何が起こるかは予想しづらいところですが、一番重要なのは日本のみならず、世界的により協調、連帯といったことを作り上げていくということが、最重要と考えています。これは医療関係に限らず、金融、経済など、全般にわたるものです。

 全世界に影響のあるなか、不便を強いられ、ストレスを感じる状況ではありますが、皆さんは、新聞、テレビ、インターネットなどのニュース、国や関係機関、企業などの情報や対応の動きをよく見ておいていただければと思います。

 最後に、皆さまのこれからの人生が健やかで実りの多いものになることを記念して、お祝いの挨拶とさせていただきます。

(株)長谷工コーポレーション
※入社式の開催および社長訓示の発表を4月16日に延期(状況によっては中止)、新入社員は319人。

森ビル(株)
※入社式の開催および社長訓示発表を延期(時期・実施方法未定)、新入社員は39人。

◆中央日本土地建物グループ(株)
※必要最低限の人数で開催、社長訓示は以下の通り。新入社員は14人。

<代表取締役社長 平松哲郎氏>
 本日、日本土地建物と中央不動産は経営統合し、「中央日本土地建物グループ」として新たなスタートを切りました。私たち一人ひとりが、未来志向で、スピード感を持って、さまざまな挑戦を実践し、成長しつづける企業グループを目指します。

 新グループの第1期生となる皆さんに、心構えを3点お話しします。
 1つ目は、「自律した人であれ」ということです。
 目標を立て、自分の頭で考え行動する自律性、即ち自己を確立して下さい。経験して学びとる姿勢、自身を磨き上げる努力が、後々の成長につながります。

 2つ目は「失敗を恐れず積極的に挑戦する人であれ」ということです。
視野を広げ、さまざまな分野で好奇心を持ち、挑戦してください。柔軟かつ自由な発想で、イノベーションを起こしていくことを強く期待します。

 3つ目は「誠実で信頼される人であれ」ということです。
 率先して現場に足を運び、不動産と向き合い、自分自身の目で現実を見極めてください。「誠実な姿勢」と「熱意」が、多くの関係者、そしてプロジェクトを動かします。

 最若手となる皆さんが、熱い意見をどんどん発することで、当社グループがますます活性化することを期待しています。
本日は誠におめでとうございました。

森トラスト(株)
※入社式は中止、社長訓示は以下の通り(新入社員向けに配信)。新入社員は109人(グループ)。

<代表取締役社長 伊達 美和子氏 2020 年度 入社訓示>
 社会人の一員となった皆さん、入社おめでとうございます。現在、世界中で感染が拡大している新型コロナウイルスの脅威、オリンピックの延期、経済環境の悪化など、先行きが不透明になっている中で、期待と不安が入り混じっていることでしょう。

 事業とは航海と同じで、いつでも晴天の中で舵を切れるものではなく、悪天候の中でも見誤ることなく舵取りをすることが求められます。現在の事業環境は予断を許さず、順風満帆な航海はさせてもらえないでしょう。しかしながら、荒波に立ち向かうときこそ、企業の真の力が試されるのです。

 ここ数年、日本の不動産市況は堅調に推移しましたが、当社は社会・経済環境が安定しているときでも様々なリスクを想定し、準備をしてきました。念頭に置いていたのは、当社の経営理念である「信頼性」とともに、「成長性」と「持続性」をいかに担保するか、ということです。

 中長期計画「Advance2027」の第一期の最終年度となった昨年度は、業務フロー改善やデジタル化推進など社内の体質強化に取り組みながら、予定よりも早い進捗で収益・利益目標を達成し、財務体質の強化を図りました。また、各エリアで耕してきた土壌への種蒔きが終わり、「Advance2027」の第二期の開始とともに、いよいよ芽が出る準備は整っています。

一方、昨今のウィルス蔓延による予想外の社会環境の悪化は、奇しくもテレワークなどの働き方や、EC利用といった消費行動など、IT普及に伴う生活スタイルの変化をさらに加速させています。そして今後、AIの活用がさらに進むことで、社会はさらに変革していくことが予想されます。

 当社も働き方改革の一環として、テレワークなど多様な働き方への対応策を講じてきています。そのため、この環境下においても、一定の事業継続が可能となっています。今般の状況を契機として、働き方改革を加速させるとともに、予期せぬ事態においてもリスクを最低限に留め、事業継続に向けて柔軟に対応できるよう、一段進んだ体制の整備を進めていきます。

 このような時だからこそ皆さんには、仕事を通じて「考える力」「企画する力」「実行する力」を養ってほしいと思っています。先行き不透明な環境におけるビジネスでは、冷静な洞察力で一歩、二歩先の社会を予測し、既成概念にとらわれない発想で新しいアイデアを生み出し、そしてそれを高いレベルで実行していくことが求められます。これは、変革期だからこそできることでもあり、我々が挑戦し続けなければならないことでもあります。

 ですから、皆さんには緊張感を持って、共に社会という大海原の航海に挑んでいただき、当社の「Advance2027」第二期、第三期の担い手として、活躍していただくことを期待しています。

三菱地所レジデンス(株)
※入社式は最小限の人数で開催、社長訓示は下記の通り。新入社員は32人

<取締役社長 宮島正治氏 2020年度入社式社長挨拶要旨>
 三菱地所レジデンスの「暮らしに、いつも新しいよろこびを。」というビジョンのもと、絶えず住まいについて考え抜き、会社を支える一員として、常に当社の経営ビジョンや事業戦略を念頭に置いて、日々の業務に励んでもらいたい。

 マンション市場においては、ニーズが多様化し、選別の厳しい環境が継続しており、当社が顧客から選ばれ続けるためには、これまで以上に顧客に密着したモノづくりが重要だ。住まいを求める顧客一人ひとりの生活目線を取り入れた、ユーザーインのモノづくりが必要となってくる。強いモノづくりを通して顧客の生涯価値を追求し、ザ・パークハウスを真のNo.1ブランドにしていこう。

 当社が「一生ものの住まい」を提供することは、言い換えればライフスタイルを提案することでもある。昨年、当社では「働き方改革」の一環として「本社移転」を実施し、フレックス制度やテレワーク環境の導入など、新しい働き方を実現してきた。さらに昨今の新型コロナウイルス感染拡大の影響も受けて、在宅ワークやフルフレックスなど働き方や暮らし方のニーズは幅を広げている。社員一人ひとりが自らもライフスタイルを充実させ、感じたことを新しいライフスタイルの提案に活かすことが「一生ものの住まい」を創ることにもつながる。

 当社が掲げる5つの行動規範(「失敗を恐れない」「自らつくり出す」「開かれていること」「視野を広く持つこと」「誠実であること」)を自ら体現できる社員になってもらいたい。

東急グループ
※グループ合同入社式は中止、代表訓示は下記の通り(参加予定企業にメッセージ動画を配布)。東急の新入社員は40人。

<グループ代表 野本弘文氏(東急(株)取締役会長)2020年度 東急グループ入社メッセージ【要旨】>
【「何のため、なぜ、もし」を常に意識し 、正しい判断力を身に 付けよう 】
 東急グループは、交通事業をはじめ、建設、不動産、生活サービス、ホテル・リゾート事業など、お客さまの生活に密着した幅広い分野で事業を展開しています。また、海外事業においても年々広がりを見せています。
 皆さんの夢をかなえる土壌は十分にあります。もし無ければ、新たに造れば良く、皆さんのチャレンジを大いに歓迎します。これから、いろいろな業務に就くと思いますが、どのような仕事であっても、面白くするも、しないも、皆さんの考え方一つです。無駄だと思う仕事も、工夫次第では面白く、また価値ある仕事になります。

 経営者にとって一番大事なことは、「正しい判断をすること」です。上司になるほど判断力の力量が問われます。物事を判断する場面は、会社の業務だけでなく、常に起こりえます。その時、正しい判断ができるかどうかで、その先の結果も違ってきます。少しでも正解に近い判断をしたいものです。
 そうした判断力を、若い時から是非鍛えてください。会社の仕事も自分のこととして、言われたままやるのではなく、「何のためにその仕事をやるのか」、「なぜそうしなければならないのか」、「もし自分が上司だったら」、「もっと良い方法はないのか」など、いつも「何のため、なぜ、もし」の三つの疑問を常に意識し、しっかりと考え、行動してほしいと思います。

 正しい判断をするためには、いつも何が正しいのか、本来あるべき姿はなにか、など考える習慣を身につけることが大切です。そのためには、いつもいろいろなものに興味を示し、自分の中に多くの判断基準を持ってください。そして、判断基準のレベルが上がれば上がるほど、大きな判断ができるものと思います。
 若い時の経験は、苦い経験でもすべて自分を育てる肥やしとなります。責任ある立場に立った時、正しい判断をするために必ず役に立ってきます。日頃より、大いに考え、行動し、いろいろな事に挑戦してください。
皆さんの先輩たちの挑戦が、今の渋谷の姿を創りあげてきました。まだまだ渋谷の完成像を見るには数年かかりますが、その時分には、成長した皆さんが明日の東急グループの姿を考え、それに向かって邁進していると大いに期待しています。

住友不動産販売(株)
※入社式の開催および社長訓示発表は中止、各拠点ごとに入社手続きを実施。新入社員は312人。

東急リバブル(株)
※入社式は中止、社長訓示は以下の通り(新入社員へ配布済みのiPad向けに動画を配信)。新入社員は242人。

<代表取締役社長 太田陽一氏 入社式社長訓示>
 皆さん入社おめでとうございます。

 例年の入社式と違い、今年はビデオ配信でお話をさせていただくことになり大変残念に思います。一方で、 環境の変化に 対応し、変化に応じてチャンスを捉えることを当たり前にしてほしいという重要なメッセージを届けたいと思います。
 ウィルス感染が拡大する中、当社では働き方改革を進化させる機会ととらえ、モバイルワークの全社導入を前倒しで進めています。昨年来、労働環境の変化に対応し生産性を向上させるために 、オフィスのフリーアドレス化やテレワーク、時差出勤制度を導入するなど 働き方改革に取り組んできました。それが現在の急激な環境変化に生か されています。
 変化の中で事業機会を見出し、成長へと向かう意識改革と行動が求められています。共に知恵を絞って課題を解決していきましょう。

 皆さんを迎えるにあたり、東急リバブルの良いところを3つお伝えします。
 一つは、「目標に向かって一体となりチャレンジするマインド」です。
 二つ目は、「事業展開・個々の働き方に拓かれた可能性が具体的にあること」です。新規事業提案や業務改善が成果を上げ、キャリアチャレンジが可能な会社です。
 最後は、「お客様評価」・「事業競争力」・「働きがい」の3つの業界1を目指し、それを好循環させてステージアップを持続していることです。皆さんが これらの 良さを感じて、自分の行動に生かし仕事の成果につなげてもらいたいと思います。 共に目標を目指す仲間となってください。

 最後に皆さんへ期待する個人の資質についてお伝えします。
 まずは、お客様や社員をつなぐコミュニケーション 能力 を身につけてください。そして、目標をやり遂げる責任感と自律的に考えて行動する姿勢を持ち、 失敗を恐れないチャレンジ精神で既存の枠にとらわれず変革するマインドを育ててください。これからの会社生活の中で、責任や課題を避けることなく前向きにとらえ、学び続けることで身につく資質だと思っています。その姿勢が皆さんと会社の成長を支えます。

東京建物不動産販売(株)
※入社式は開催、社長訓示は以下の通り。新入社員は16人。

<代表取締役 社長執行役員 加茂正巳氏>
(要約)
 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。

 不動産業界は人間や企業活動に欠かせない「衣食住」の「住」に関わる重要な仕事を担っており、その中で当社は東京建物グループ全体の顧客最前線企業として、「仲介」「アセットソリューション」「賃貸」を主な事業として展開する総合不動産流通企業です。

 皆さんが当社の社員として仕事に取り組む際に大切にしてほしい価値観である、当社の企業理念「信頼・創造・未来」についてお話しします。

 まず、「信頼」と「未来」についてです。当社が永年の歴史の中で積み重ねてきたお客様の「信頼」は、一朝一夕には得られない、最高の価値を持つものです。目の前の仕事をきちんとやり切り、一つ一つの取引でコツコツと「信頼」を積み重ねてきた先輩社員の努力の先に「未来」の取引があります。皆さんが取り組むことになる仕事で無駄なことはありません。真正面から仕事に取り組んでください。

 次に、「創造」についてです。当社は東京建物グループだからできること、東京建物グループにしかできないことは何かを考え、「創造」すなわち付加価値をつけることで不動産価値向上の実現を提案し、「信頼」を得てきました。これからは、皆さんがその「創造」に向けて挑戦するメンバーです。この「創造」のために、正しい好奇心を持って世の中の変化を見つめること、スピード感をもって新しいことに挑戦することを大切にしていただきたいと思います。

 また、本年は新たな中期計画のスタートの年です。目標達成に向け共に走っていく仲間として、グループ長期ビジョンである「次世代デベロッパーへ」を共有したいと思います。

 今日から皆さん自身が当社の顔となります。お客様にとってかけがえのない存在となるために、当社にしかできない新しくユニークな価値を「創造」し、その積み重ねがお客様の心を動かし、「信頼」が生まれ、それが「未来」の取引につながっていく。そのような素晴らしい東京建物不動産販売の風景を共に叶えていきましょう。

大和ハウス工業(株)
※入社式は中止、社長訓示は以下の通り。新入社員は約800人。

<代表取締役社長 芳井敬一氏 2020年度新入社員向けメッセージ>
 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。役職員を代表して心よりお祝い申し上げます。

 本年は、新型コロナウイルスによる影響を受け、残念ながら、入社式を中止としましたが、落ち着いたら皆さんとしっかり話をしたいと思います。今日は皆さんにとって人生の新しい物語のスタートとなる日です。創業65年を迎える当社に入社される皆さんの新たな門出に、三点お願いがあります。

 1つ目は「勉強」です。このような厳しい状況の時こそ、勉強して地力をつけてください。皆さんは良き同期・仲間であると同時に、ライバルです。現在、個人差はほとんどありませんが、これからの勉強次第で大きな差が生まれます。

 2つ目は「健康管理」です。仕事をするうえで、社員自身の健康とその家族が最優先されます。

 また、現場では安全より優先されることは何一つありません。これからは、健康管理を徹底してください。

 3つ目は「大和ハウスグループの社員として自覚を持って行動すること」です。コンプライアンスの徹底は当然のこと、創業者の著書「わが社の行き方」を熟読し、「行動第一主義」や「全員営業員たれ」、「スピードは最大のサービス」といった当社の原点を理解し、業務に邁進してください。

 創業100周年(2055年)には皆さんの中から主要な経営層が輩出されるでしょう。その時まで、皆さんはお互いに刺激し合って切磋琢磨し、向上心をもって日々過ごしてほしいと考えています。今後の活躍を大いに期待しています。

積水ハウス(株)
※入社式はビデオ配信形式で開催、社長訓示は以下の通り。新入社員は886人(グループ全体)。

<代表取締役社長 仲井嘉浩氏 積水ハウスグループ新入社員向け社長訓示要旨>
【社会課題に向き合い、世界の住宅の質を高める】
 新入社員の皆さん、本日は入社おめでとうございます。
 “Belief-Driven(ビリーフ・ドリブン)”という言葉をご存知でしょうか。「ビリーフ・ドリブンな購買の仕方が増えている」という記事を読んだ方もいるでしょう。訳すと「信念に基づいた」購買をする人が増えている、つまり社会課題に対する姿勢でその企業の製品を買うか買わないかを決める人たちが増えているということです。我々の業界でいうと、積水ハウスはネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の販売が世界No1で、温暖化防止に貢献しているから、「積水ハウスで家を建てて地球環境に貢献しよう」とか、「積水ハウスの賃貸住宅に住もう」とかといった購買行動です。そのような意味で、我々は創業以来、常に社会に貢献するために頑張ってきた会社といえます。

 当社は戦後の住宅不足を解消しようと、1960年に創業しました。創業から30年を第1フェーズと呼んでいますが、住宅不足を解消するだけでなく、住まい手の命と財産を守るべく、高い耐震性や耐防火性能・耐衝撃性能など、安全・安心をお客様に提供してきました。そして次の30年の第2フェーズでは、断熱性能や、ユニバーサルデザイン、空気環境技術、最も心地よいリビングを追及した「スローリビング」など、様々な技術で快適性を提供してきました。このように、当社は常に住まい手の課題を解決すべく研究を重ね、我が国の住宅の質を常にリードしてきました。60年間、住宅のことをここまで愚直に研究してきた会社は、世界で当社だけでしょう。

 そして、今、世界が当社の技術に関心を寄せています。米国、豪州、英国を中心に、当社の戸建住宅の技術を世界のデファクトスタンダードにしたいと思っています。

【「『わが家』を世界一幸せな場所にする」30年のスタート】
 当社は、今年60周年、第3フェーズの30年のスタートに当たる年です。これからの30年は、人生100年時代の幸せを提供する時代としました。ビジョンは「『わが家』を世界一幸せな場所にする」です。

 100年間幸せに生きていくためにすぐに思い浮かぶのは「お金」や「株」などの有形資産でしょう。しかし、有形資産よりも無形資産の方が100年間幸せに過ごすためには大事だと言われています。3つ例を紹介します。1つは「健康」。もう1つは「家族や友人とのつながり」。3つ目は「経験やスキルや知識」です。よって第3フェーズでは、住宅を通じて、これら3つの無形資産を提供することにチャレンジしていきたいと考えています。

 今年の1月、アメリカ・ラスベガスで開催されたCESで、「プラットフォームハウス構想」の第1弾である、家が急性疾患を発見する仕組みを発表しました。今後、急性疾患だけでなく、慢性疾患の発見や、予防サービスなど、健康に関する開発ができ次第、「プラットフォームハウス」に次々とインストールまたはアップデートしていきます。

 このように第3フェーズは、すでにスタートしているわけですが、そのチャレンジの主役は、皆さんです。皆さんの世代が一丸となって、住まい手を幸せにしようと思わないと、このビジョンは実現できません。

 私は1988年入社で、ちょうど第2フェーズが始まろうとした時に入社しています。30年前の1990年に120億円をかけて、けいはんな学研都市に「総合住宅研究所」が開設されました。そこで、様々な技術開発がなされ、30年たった今、これらの技術が世界の注目を浴びているのを、私は目の当たりにしています。

 主役である皆さんも、きっと30年後には、住まい手が、健康で、家族や友人とつながりながら、自身の経験やスキルを高め、イキイキと幸せに過ごしている、そんな「プラットフォームハウス」を目の当たりにしていることでしょう。

【住まい手の幸せのため、社員も無形資産を大切に】
 最後になりましたが、住まい手が幸せになるために、まずは、みなさんが無形資産を大事にして、幸せになってください。つまり、睡眠をよくとって健康でいてください。2つ目に、家族や友人を大事にしてください。そして3つ目、様々な経験や学習により、スキルを常にアップデートし続けてください。

 積水ハウスの第3フェーズは始まったばかりです。みなさんと共に、「『わが家』を世界一幸せな場所に」していきましょう。

積水化学工業(株)
※グループの入社式は中止、社長訓示は下記の通り。新入社員は531人(セキスイハイムグループ)。

<代表取締役社長 加藤敬太氏 2020年度 積水化学グループ新入社員の皆さんへの期待(訓示)>
 新入社員の皆さん、積水化学グループへの入社おめでとうございます。
 皆さんに心からのお祝いと歓迎の意を表します。
 今年はグループに800名以上の新入社員の皆さんを迎えることができ、大変嬉しく思います。
 新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、グループ全体で一堂に会しての入社式を中止せざるを得ず残念ですが、新入社員の皆さんに私から期待することを3つお伝えします。

1.「際立ち」を身に付けよう
 仕事に慣れる過程で、自分の強みや弱みを把握し、弱みを改善するとともに、「これだけは他の人に負けない」という強み・持ち味を際立たせてほしいと思います。「際立ち」とは当社グループがとても大事にしている概念です。この「際立ち」を身に付けることは、皆さんの自信と成長につながります。

2.困難は自分とチームの成長のもと
 仕事に困難はつきものです。その困難をどうすれば克服できるのか、今の仕事のやり方でいいのかなど、いろいろ考え抜くことでひと回り大きくなれます。また、困難や問題を一人で抱え込む必要はなく、むしろ経験豊富な先輩や同僚とよくコミュニケーションをとってチームで解決策を考えることが、全体の成長につながります。そういう意味でも、一緒に入社した同期を大切にしてください。

3.約束を守る
 「約束を守る」ことに徹底してこだわってください。私はこれまでの経験上、「この人は必ず約束を守る人だ」「約束を守る会社だ」という評価が結果を左右すると思っています。積水化学グループの一員として約束を守るということは、納期であったり、品質であったり、部署の目標であったりしますが、最後まで約束を守ろうという姿勢が、皆さん一人ひとりと会社の信頼、業容の拡大・発展にもつながります。

 今、世界は大変な混乱の中にありますが、困難や逆境の中でこそ発見し解決できる課題、変革に挑戦できるテーマもあると思っています。
 積水化学グループは、10年先の2030年を見つめた挑戦を始めます。新しい時代の主役として、新入社員の皆さんの挑戦と活躍、そして成長を心から楽しみにしています。

旭化成ホームズ(株)
※入社式は中止、代表訓示は下記の通り(在宅の新入社員向けにメッセージ動画を配信)。新入社員は149人。

<代表取締役社長 川畑文俊氏 2020年度 新入社員向け講話(動画配信)>
 新入社員の皆さん、この度は誠におめでとうございます。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、いつもと違う動画配信という形で皆さんにコメントをお送りすることとなりました。色々不安もあることと思いますが、皆さんが戸惑う事のないよう、私たち社員一同、万全の体制を整えていますので、安心して新社会人生活をスタートさせてください。

旭化成ホームズが昨年定めた新経営戦略のコンセプトは「Challenge & Growth」です。チャレンジし、成長し続けること。皆さんはこれから沢山の失敗をすることと思いますが、そのたびに成長できるはずです。ぜひ失敗を恐れずチャレンジし、周りの先輩やお客様から学びながら、大きく成長していただきたいと思います。

 また私たち旭化成ホームズは「世の中から必要とされ、感謝され続ける企業」になりたいと考えています。その為の合言葉は、「今に答えを。未来に価値を。」です。お客様の為に一心に取組み、お客様が持つ様々な問題に対し、将来にわたり「良かった」と思っていただける価値ある答えを提示する、そういうソリューションができる社員になることが大事です。社員全員がその想いを共有することが出来れば、必ず世の中に必要とされ、感謝される企業になれると私は考えています。最初からうまくできるわけではありません。今申し上げたように、一心にお客様に向き合い、失敗を恐れずチャレンジし続けるうちに、自然とソリューションの力が身につき、立派な社会人へと成長を遂げることができ、その総和として会社も成長を果たすことが出来ると信じています。

 最後になりますが、今回はひとまず動画配信という形で皆さんへメッセージをお届けしますが、なるべく早い時期に、皆さんと直接お会いする機会を必ず作りたいと考えています。ぜひ、楽しみにしていてください。皆さんの活躍を期待しています。

パナソニック ホームズ(株)
※入社式は中止、社長訓示は以下の通り(動画で収録の上、新入社員専用サイトで配信)。新入社員は46人。

<代表取締役社長 井上二郎氏 2020年度新入社員向け社長訓話>
 入社おめでとうございます。縁あって入社したこの会社に対し、しっかり精進していこうという、高い志を持って欲しいと思います。

 年明けから新型コロナウイルスの影響で、皆さんには「卒業式の中止」など、様々な影響があったことと思います。また、近年は地震、台風など自然災害の発生も多く、各地に被害をもたらしています。自然の驚異や環境変化に対し、これから皆さんは、一社会人、一企業人としてしっかり向き合い、お客様に対して、最高のご満足を与える商品、サービスをお届けできる人材になって欲しいと思います。

 当社は56年前、旧松下電工の建材を扱う事業部が独立し、設立された住宅会社です。松下幸之助創業者はそのとき『住まいは人間が生活していく上で最も大切なもの、それにふさわしい良い家をつくりたい』という“良家づくり”の言葉を残されています。そのDNAは今もなお受け継がれ、現在に至ります。

 時代が変わり、技術が進歩しても、私たちが忘れてはいけないことは、「良家づくり」を通して、人びとに感動を与え、人びとのくらしをより豊かにしていくという使命です。そこには人と人との信頼関係があり、お客様のこれからのくらしを親身になって考え、誠意をもって対応していくという、私たち一人一人の想いが重要です。一日も早く、皆さんとその想いを共有し、お客様に生涯満足をお届けする「CS・顧客満足度No.1」の企業に成長していきたいと思います。

 今、住宅業界は大きな岐路を向かえています。少子化により国内の新設住宅着工戸数は現在の90数万戸から2030年には60数万戸に減ると予測され、住宅から非住宅へのシフトを余儀なくされています。また地球温暖化に代表される環境問題、地震の多い国における耐震性能のさらなる向上、そして省資源国におけるネット・ゼロ・エネルギー住宅の推進など、我々を取り巻く環境は決して安穏としていられる状況ではありません。

 そんな中、今年1月7日にパナソニックとトヨタ自動車が対等出資をして、両グループの住宅・建設・街づくり事業の推進を担う『プライムライフテクノロジーズ株式会社』が発足しました。傘下では、当社のほか、トヨタホーム、ミサワホーム、パナソニック建設エンジニアリング、松村組の5社が力を合わせ、街全体でくらしの新たな価値やサービスを創出して行きます。皆さんはグループの第一期生として当社に入社したことになります。今まで我々が取り組んできた「顧客満足向上」を軸に、各社の枠を超えて学びあい、お互いが高めあって、新たな時代を一緒に築いて頂きたいと思います。

三井ホーム(株)
※入社式の開催および社長訓示の発表を延期、新入社員は78人。

ポラスグループ
※入社式は十分にコロナ対策(規模縮小、外出時および会場での検温、出席者の間隔の確保、マスク着用、換気や消毒の実施など)を行なった上で開催、社長訓示は以下の通り。新入社員は177人。

<グループ代表 中内 晃次郎氏 代表訓示の要約>
 現在は、新型コロナウイルス感染の収束が見えない状況です。本日の入社式は新入社員の皆さんが初めて会する貴重な機会であることと、事業を通じて地域に貢献し続けていくという当社の在り方を考えたとき、我々が元気をなくしてはいけないという思いから、考えられる対策(※)を施したうえで開催しております。

 昨年創業50周年を迎え、新たなスタートを切った当社の今年度のキーワードは「創意工夫」です。様々な災害や今回のコロナウイルス感染の拡大など、不透明な時代ではありますが、社会人として責任をもって、顧客ニーズに合致した商品やサービスの提供を継続しましょう。そして、これまでの50年より、更に発展した形で100周年を向えることができるよう、「創意工夫」の観点を持ち、日々の業務に取り組んでください。

 また、皆さんには新聞の購読と資格取得に取り組んでいただきたいと思います。新聞は世の中の動きがわかり、その情報を活かすことで、自分がどのような行動をすればいいかの参考になります。また、資格取得は業界の知識や法律を学ぶことができ、プロとしての知識と知恵と力量を身に付けることができます。これらを習慣化して業務に生かすことで、お客様からの信頼、信用を獲得できます。新入社員の皆さん一人一人が、影響力のある、そして「いてもらわないと困る人財」に成長していただくことを期待しております。


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