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国交省・経産省、電気設備の浸水対策で指針

 国土交通省と経済産業省は19日、「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」をとりまとめ、地方公共団体および関連業界団体等へ通知した。

 令和元年東日本台風(第19号)による大雨に伴う内水氾濫で高層マンションの地下部分に設置されていた高圧受変電設備が冠水、停電したことで、エレベーター、給水設備等のライフラインが一定期間使用不能となる被害が発生した。これらの浸水被害の発生を踏まえ、両省による「建築物における電気設備の浸水対策のあり方に関する検討会」が2019年11月に設置され、ガイドラインの中身について検討を進めていたもの。

 ガイドラインは、高圧受変電設備等の設置が必要など、洪水等の発生時に機能継続が必要となる新築・既存の建築物における電気設備の浸水対策の在り方や取り組みの特徴・留意点等を記載。これらの建築主や所有者・管理者には、浸水想定区域やハザードマップ等を調査し、専門技術者のサポートを受け、想定される浸水深や浸水継続時間等を踏まえ、設定浸水規模を設定するよう求めている。

 また、浸水対策の具体的な取り組みとして、「浸水リスクの低い場所(上階)への電気設備の設置」、マウンドアップ、止水板、逆流防水措置といった「対象建築物内への浸水を防止する対策」「電気設備設置室等への浸水を防止する対策」、想定以上の浸水が発生した場合の電気設備の浸水に対する「電気設備の早期復旧のための対策」をまとめている。このほか、参考資料として、建築物における電気設備の浸水対策の具体事例、解説等を図や写真等を用いて紹介している。


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