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「国土の長期展望」コロナ踏まえた議論を

 国土交通省は19日、国土審議会計画推進部会 国土の長期展望専門委員会(委員長:増田寛也氏/東京大学公共政策大学院客員教授)の6回目となる会合を開催した。

 今回は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる暮らし方や住まい方の変化、産業・物流・サプライチェーンの変化などが、わが国の社会や国土に中長期的に及ぼす影響や課題に関してフリーディスカッションを実施。これまで議論してきた国土形成計画の基本構想である「対流促進型国土」や「コンパクト・プラス・ネットワーク」「東京一極集中」についてどうアプローチするか等について、委員からの意見を求めた。

 ディスカッションでは、特にテレワークや遠隔授業などの進展の今後の国土形成への影響について議論が集中。現在の大都市の住宅がテレワークに向いていないことや、都市のレジリエンス性強化の意味でも、大都市一極集中から分散型・多極化国土への移行を加速させるべきといった意見が多く出た。一方「地方都市でのテレワークを実現するために、情報インフラをきちんと整備し、それらを使いこなす人材の育成も必要」といった意見や「複合災害にも対応したインフラ整備が必要」といった意見も出た。

 また、今回のコロナ禍により「東京とそれ以外の都市との認識の差、人口・都市機能の一極集中の問題を国民が共有できた」とし、「今回の行動変容を一過性のものとせず、これまでのアブノーマルな社会をノーマルな人間的生活にしていくべき」「いつのまにか消えていった首都機能移転の議論を、国会移転などに限定せず、スーパーメガリュージョンの見直し含め議論していくべき」などといった意見も出た。


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