不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

「マンション管理計画認定制度」を議論/国交省

 国土交通省は18日、「マンション管理の新制度の施行に関する検討会」(座長:齊藤広子横浜市立大学国際教養学部教授)の第2回会合を、WEB会議にて開催した。

 今回の会合では、マンション管理計画認定制度における認定基準について議論。事務局が同基準の素案を示した。
 認定制度は、マンションの管理組合の管理者等が、認定申請を集会で決議の上、管理計画・添付書類をマンション管理適正化推進計画を作成した市区(町村部は都道府県)に申請し、認定(5年ごとの更新)を行なうイメージ。管理計画については、(1)修繕その他の管理の方法、(2)修繕その他の管理に係る資金計画、(3)管理組合の運営状況、などを記載することとし、長期修繕計画や修繕積立金の残高証明書、総会・理事会議事録、管理規約等を添付することを提案した。認定を取得したマンションは、適正に管理されたマンションであることが市場において評価されることに加え、区分所有者全体の管理への意識が高く保たれ、管理水準を維持向上しやすくなるというメリットが期待されるとしている。

 管理計画の認定基準について、(1)修繕その他の管理の方法では、長期修繕計画が集会にて決議されていること、長期修繕計画の作成日または見直し日が5年以内であることを素案として提示。長期修繕計画の計画期間が25年以上(新築後5年以内の場合は30年以上)、かつ残存期間内に2回以上の大規模修繕工事を含むものであること、適切な推定修繕工事項目、当該工事の予定時期および予定費用が長期修繕計画に明記されていることも加えた。それに対し、委員から「長期修繕計画25年以上かつ2回以上の大規模修繕工事は、現実的に厳しいのではないか」という意見が挙がった。

 (2)修繕その他の管理に係る資金計画については、長期修繕計画の計画期間全体での修繕積立金の総額が著しく低額でないこと、直前の事業年度の終了の日時点において、修繕積立金の3ヵ月以上の滞納住戸数および滞納額が全体の1割以内であることなどを提示。修繕積立金の総額については、ワーキンググループを設置の上、検討していく。委員からは、「滞納額が全体の1割という点について、戸数の少ないマンションの場合を考慮していただきたい」との提案があった。

 (3)管理組合の運営状況では、管理者等・監事が選任されていること、集会が年1回開催されていること、管理規約で「専有部分への立ち入り」「修繕等の履歴情報の管理等」「管理情報の書面提供」について、標準管理規約に照らして適切な内容が規定されていることなどを提示。それに対し、「コロナ禍に配慮し、集会の開催については柔軟に対応していただきたい」「滞納への取り組みについての項目も追加すればよいのではないか」などの意見が寄せられた。

 第3回の会合は9月15日の予定。管理適正化のための助言・指導・勧告を行なう判断基準の目安について議論していく。


最新刊のお知らせ

2024年6月号

「特定空家」にしないため… ご購読はこちら