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商業地・住宅地ともに地価は下落傾向

 (株)三友システムアプレイザルは28日、「三友地価予測指数」(2020年9月調査)を発表した。調査対象は、同社と提携する不動産鑑定士165人。商業地・住宅地ともに地価の先行指標となり得る高度利用地等を前提に、地価の動向を上昇(100)・やや上昇(75)・横ばい(50)・やや下落(25)・下落(0)の5段階の指数で評価。その指数ごとに回答者比率を乗じて加算している。調査期間は8月3~31日。

 商業地指数の「現在」については、東京圏44.1(6月の緊急調査比3.5ポイントダウン)、大阪圏35.7(同4.5ポイントダウン)、名古屋圏33.4(同8.4ポイントアップ)となった。名古屋は上昇したが、下落傾向にあることに変わりはない状況。「先行き」については、東京圏33.5、大阪圏30.3、名古屋圏27.1と、地価はさらに下落するリスクが高まっているとした。

 不動産市場で、最も大きなダメージを受けたのは、ホテルと店舗(特に飲食店)。ホテルは、客室単価を下限まで下げても稼働率が上がらないケースが多く、店舗は都市部を中心に解約や家賃の減額交渉が多発している。
 一方、ダメージが少ないのは物流施設と住宅。特に物流施設は、在宅勤務の普及や実店舗から客足が遠のいたことを受けて、今後も市場は拡大する見込み。住宅は、現時点では販売価格や賃料水準に大きな変化はなく、市場では様子見の状態が続いている。
 オフィスは、東京ではコロナ以前から今後の大量供給によって賃料は10~15%下がるとの見方が大勢を占めていた。コロナ禍で企業業績が悪化すれば、賃料は当初の予想を超えて下がる可能性もあるとしている。

 住宅地指数の「現在」は、東京圏47.4(同5.4ポイントアップ)、大阪圏48.2(同3.6ポイントアップ)、名古屋圏47.9(同8.6ポイントアップ)となった。いずれも上昇したものの、下落傾向にあることに変わりはないとした。「先行き」でも、東京圏35.9、大阪圏38.4、名古屋圏33.4と、地価の不透明感が強まっているとした。


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