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柏のタワマンに「BIM検査システム」導入/長谷工

作業員の持つタブレットには、現在地や階数、梁記号、主筋径の長さ・本数などのデータが表示されている
データの一元化により、複数の書類を持ち歩くことなく検査が行なえる

 (株)長谷工コーポレーションは16日、長谷工版BIMを活用した「PCa施工品質検査システム」を活用し、建設中の超高層マンション「(仮称)柏の葉キャンパス162街区計画新築工事」(千葉県柏市、総戸数364戸)を報道陣に公開した。

 同マンションは、敷地面積9,226.99平方メートル、延床面積3万8,302.90平方メートル、鉄筋コンクリート造地上29階地下1階建て。事業主は三井不動産レジデンシャル(株)。

 超高層マンションの施工では、工期短縮や品質の安定化を目的として、建物の基本となる部材を最新設備の整った工場で製造した後、現場へ持ち込み躯体を組み立てるPCa工法を採用している。作業所員がPCaの施工品質検査を行なう際は、設計図書や施工図、製作図などが必要となるため、複数の図面を検査箇所まで持参して確認する必要があった。

 長谷工が開発したシステムは、PCaの施工品質検査に必要な複数の図面の情報をBIMモデルから抽出し、タブレットやPC、スマートフォンに3D表示することで、複数の図面を持ち歩きながら検査する必要がなくなり、検査業務の効率化を図る。BIMから抽出され表示されるデータは、現在地、階数、梁記号、ジョイント部分の鉄筋の主筋径の長さ・本数など。

 説明にあたった同社建設BIM推進部DX推進部統括部長の原 英文氏は、「現場の作業員は、複数の図面を持ち歩き、該当箇所を探しながら検査を行なっていたが、今回のシステム導入により2分の1程度の検査時間の効率化が図れる。同システムの導入は初となるが、今後は活用範囲を躯体工事や設備・電気工事などの品質検査にも拡大し、生産性の向上を目指す。また、BIMに『検査キット』機能を組み込むことで、作業を終えた作業員が事務仕事として行なう『検査チェックリスト』の作成にかかる手間も省力化していきたい」と話した。


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