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石神井公園団地建替PJが本格始動、お別れイベント開催

団地のシンボルであった給水塔。住民の代表者の合図に合わせて解体作業に取り掛かるセレモニーを実施。住民はオンラインで参加した

 石神井公園団地管理組合および石神井公園団地マンション建替組合は27日、同団地の解体工事に伴い、建替プロジェクト第1弾として「団地お別れイベント」を開催した。

 同団地は、日本住宅公団(現・(独)都市再生機構)が分譲し1967年に竣工。東京23区最大級かつ都内で現存する最も古い団地の一つ。西武新宿線「上石神井」駅より徒歩14分、敷地面積は4万2,681平方メートル、鉄筋コンクリート造5階建ての建物9棟(総戸数490戸)で構成する。

 建物・設備の老朽化、住民の高齢化が進んでいたことから、2007年に建替・修繕検討委員会を設置し、団地再生に関する勉強・検討を重ねてきた。15年に東京建物(株)、旭化成不動産レジデンス(株)、(株)URリンゲージの3社が事業協力者に選定され、19年4月に区分所有者の90%超の賛成で一括建替決議が可決された。
 建て替え後は、敷地面積3万6,988平方メートル、地上7・8階建ての8棟構成。延床面積は6万7,909平方メートル、総戸数は844戸(地権者住戸301戸)のマンションを計画する。23年入居開始予定。

 今回のイベントでは、建替プロジェクトの本格始動の意味合いを込め、住民の代表者の合図に合わせて団地のシンボルであった高さ35mの給水塔の解体作業に取り掛かる建替スタートセレモニーを実施した。居住者らが同団地の思い出を語るトークセッション(録画映像)やお別れムービーの放映なども行なわれた。

 セレモニーに登壇した同団地管理組合理事長の岡崎 登氏は「5年前に理事長になった時点で賛成が65%。すでに半数以上が建て替えに前向きという状況で、これは真剣に進めなければならないと覚悟した。事業協力者、建替組合理事長にも骨を折ってもらって、ここまで来れたと思っている」と振り返った。今後については、「住民同士が仲良くできなければいい団地とは言えない。完成後早々にお祭りや集会を開催して、新しく来る人と従来から住んでいる人が仲良くなれる団地にできれば」などと述べた。
 同団地マンション建替組合理事長の黒河内 剛氏は「退去するときの高齢者比率は7~8割。この団地には子供が安心して遊べる空間がたくさんあるので、ぜひ多くの子育て世帯に入居していただき、たくさんの子供がこの団地で育つようになってほしい」などと期待をにじませた。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点により、住民はオンラインでの参加となった。

9月に解体作業に着手した団地の様子


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