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20年度上半期のマンション販売、郊外含め好調/野村不

「第2四半期は、コロナ禍にもかかわらず好調だった」と説明する松尾氏

 野村不動産ホールディングス(株)執行役員住宅部門長の松尾大作氏(野村不動産(株)取締役兼専務執行役員住宅事業本部長を兼任)が29日、報道陣と会見。住宅分譲事業の状況や今後の販売戦略などについて説明を行なった。

 新築マンションマーケットの供給量の減少、価格の上昇については、「供給量が減っているのは用地案件の減少や建築費の上昇といった供給者側の事情であり、需要は依然底堅い」とした。共働き世帯増加による購買力の高い層や、コロナ禍により居住環境の改善を求めて賃貸から分譲へと移る層が増加していることなどに触れ、「当社の住宅事業にとってはプラスの状況が今後も続く」と述べた。

 「プラウド」をリリースした2002年の頃は「ワンランク上の贅沢が感じられること」といった上質感が支持されていたが、18年時点では「自分らしい生活」「格式よりも機能性」といったことが重視するユーザーが増えたと分析。住まいに対するニーズの変化に対応するために、3年をかけて商品、サービスの理念を整理し、「住まいづくりの指針」を策定した。
 同指針は「安心と安全」「機能性と心地良さ」「時と共に深まるデザイン」「環境と未来への対応」「豊かな暮らしへのエスコート」の5項目で構成。これに従い商品企画を進めると共に、プロモーションにも力を入れていく計画。ファミリー層の減少と反比例して、単身世帯やDINKSは増加傾向にあり、同社の顧客でも20歳代、30歳代の割合が増加傾向にあることから、そうした層に向けた商品企画も積極化させていく。

 また、当期第2四半期の販売状況についても説明。4~9月は、新規来場者数が9,000人(前年同期比約7.1%増)、契約数は約1,900(同約26.6%増)、契約歩留は21.1%(同3.2ポイント上昇)と好調。「販売センターは完全予約制とし、来場制限も行なったことを考えると、かなり好調だった」(松尾氏)と語り、コロナ禍にも関わらず好調な販売状況であったことを示した。「駅近というトレンドに合致しない『プラウドシティ吉祥寺』や郊外物件の『プラウドシティ日吉』も好調。『吉祥寺』は商業施設や保育施設まで徒歩0分というコンパクトタウンであることが、『日吉』は住商一体開発で敷地内で完結する生活スタイルが、いずれも高評価を受けた」(同氏)と述べた。

 9月に同社の顧客向けに実施したアンケート結果についても説明があり、15.7%が「コロナ禍を経て住宅購入マインドが高まった」と回答したという。また希望エリアについては、郊外シフトが一定数見られると共にエリアの分散化が確認された。

 同社ではこうした変化するニーズに的確に答えながら開発を進め、より商品を進化させていく計画。「当社の商品戦略部による当社独自の新商品企画アイディアは、現時点で150を超えている。そうしたものを企画に落とし込みながら、製販一貫体制の強みを発揮し、事業を推進していく」(同氏)。


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