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高層木造建築物の構造設計法等、研究成果を報告

 国立研究開発法人建築研究所は5日、国土交通省で専門誌記者に向けて成果報告を行なった。今回で18回目。

 研究報告では「高層木造建築物の構造設計法に関する技術開発」や「水害に強い住宅づくりへの取り組み」、「地盤・液状化に関する技術開発の加速」など、9つの取り組みについて各研究員が報告した。

 「高層木造建築物の構造設計法に関する技術開発」では、中層以上の木造建築物の設計例を公表するための技術開発を実施。マスティンバー工法、集成材ブレース構造、枠組壁工法、接着パネルを活用した構法を対象に、10階建て建築物の設計が可能となるような耐力要素の開発、接合技術の検討等を行なった結果、マスティンバー工法および木質接着パネル・集成材複合部材による構法において、10階建て復興住宅の一次設計が成立。2021年度には実施設計事例として公表する予定とした。

 「水害に強い住宅づくりへの取り組み」では、水害リスクを踏まえた建築・敷地レベルでの浸水対策や土地利用の誘導方策のあり方を研究。今回は戸建住宅の耐水化について3パターンを試設計し分析した結果、50万円程度の追加工事により90万円程度の被害額低減効果が期待できることなどが分かった。

 同研究所理事長の緑川光正氏は、「当研究所では、建築・住宅都市の健全な発展に資するための研究開発等を実施している。国内の技術指導・普及活動の他に海外での技術協力等も行なっており、そうした中での研究成果を社会に広く広めていきたい」などと述べた。

「ITを活用した事例研究等にも力を入れている」と話す緑川理事長


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