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約9割の企業が「テレワーク」環境を整備

 (株)ザイマックス不動産総合研究所は2日、「大都市圏オフィス需要調査2020秋」を公表した。10月にザイマックスグループで管理運営するオフィスビルのテナント企業、(株)ザイマックスインフォニスタの取引先企業の4万60件を対象に調査したもので、有効回答数は1,798社。

 過去1年間(19年10月~20年9月)におけるオフィスの在籍人数が「増えた」と回答した企業は21.6%(20年春調査比10.4%減)で調査開始以降、過去最低に。「減った」は19.7%(同5.5%増)だった。オフィスの面積を「拡張した」は5.2%(同2.6%減)で、こちらも過去最低。「縮小した」は4.7%(同2.0%増)。面積縮小の理由は、「テレワークにより必要面積が減るため」が40.5%(同28.0%増)で、前回調査から大幅に伸びている。賃料単価(共益費込み)が「上昇した」との回答は15.1%(同7.2%減)で、過去4年間続いた上昇傾向が一段落した。

 テレワークの推進について、ICT投資や場所の整備など、従業員がテレワークするための何らかの施策に取り組んでいると回答した企業は89.5%(20年秋調査比10.8%増)と、その割合は年々増加傾向にある。テレワーク支援のためのICT投資を行なっている企業は85.5%(同9.1%増)。テレワークする場所の整備に取り組んでいる企業は54.7%(同24.0%増)だった。場所の整備の内容としては、「在宅勤務制度」に取り組んでいる企業が51.2%(同29.4%増)と最多に。働き方に関する施策の取組状況については、「テレワークできるような制度の整備・活用」(57.1%)、「ペーパーレス化」(43.9%)など、テレワークに付随する項目が上位に並んだ。
 ワークプレイス運用に関する課題を聞いたところ、「テレワーク時のマネジメント(業務、勤怠、評価等)が難しい」(38.2%)がトップに。「テレワーク時の従業員の生産性・業務効率の低下」(33.8%)、「ペーパーレス対応が不十分」(33.6%)、「職種等によりテレワークできる人とできない人の不公平感がある」(28.9%)など、テレワーク関連の課題が上位を占めている。

 コロナ危機収束後、働き方に関して興味のある施策の問いには、テレワーク推進を前提とした「勤怠・業務管理ツールの導入」(30.2%)や、「評価制度の変更(成果主義やジョブ型雇用への転換等)」(27.0%)などが上位に。メインオフィスとサテライトオフィスに求める価値・役割については、どちらも「業務の効率化」がトップ。メインオフィスでは、「社内のコミュニケーション活性化」(61.0%)、「従業員のモチベーション向上」(44.7%)が高く、サテライトオフィスは「従業員の通勤・移動時間の短縮」(38.6%)、「働く場所や時間のフレキシブル化」(32.4%)などが高い結果となった。


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