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世界の都市総合力ランキング、東京は‟経済”に課題

 (一財)森記念財団 都市戦略研究所は8日、「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index)2020」を発表した。

 同ランキングは、世界の主要48都市を選定し、都市の力を表す6分野(「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」)における70の指標に基づき評価する。今回が13回目。

 総合ランキングのトップはロンドンで、スコアは1,661.1と、9年連続で首位を維持。2位がニューヨーク1,514.9、3位が東京1386.5、4位がパリ1325.4、5位がシンガポール1262.1と、上位5位までは昨年と同列となった。

 ロンドンは、「文化・交流」分野でとりわけ強さを見せ、16指標中13の指標でトップ5入りとなった。EU離脱による経済への影響などが今後の成長のカギを握る。ニューヨークは、「経済」や「研究・開発」で安定した強さを見せた。

 3位の東京は、16年まではトップだった「経済」で弱さをみせ、1・2位に引き離される結果に。特に「優秀な人材確保の容易性」でスコアを落としている。一方「環境」での「都市空間の清潔さ」や、「交通・アクセス」の「国際貨物流通規模」では順位を上げた。
 ロンドン・ニューヨークと比較した東京の強みは、「経済/世界トップ500企業」、「研究・開発/特許登録件数」、「文化・交流/食事の魅力」、「居住/小売店舗の多さ」、「環境/都市空間の清潔さ」など。一方、弱みは「経済/優秀な人材確保の容易性」、「研究・開発/スタートアップ数」、「文化・交流/ナイトライフ充実度」、「居住/社会の自由度・平等さ」、「環境/緑地の充実度」となっている。

 なお、集計期間の関係で、今回の結果には新型コロナウイルスの影響はほとんど反映されておらず、今後のポストコロナ時代の競争力を図る指標を検討するため、上位都市居住者約1,000人にアンケートを実施。その結果を踏まえ、「多様な働き方への対応力」「デジタル化によるビジネス環境の変化」「新たな社会的リスクを考慮した安全・安心」「“ICT環境の充実度”の重みづけ」「SNS活用による情報発信力」などを新しい視点として挙げている。


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