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事業承継、M&Aをテーマにセミナー/CCIM

 (一社)CCIM JAPANは19日、「不動産業界も知っておくべき、基礎から学ぶ『事業承継・M&A』」をテーマにトークセッションを実施。約50名が視聴した。

 ダイエパートナーズ会計事務所代表/税理士の辻本雅俊氏が解説。「仕事に携わる中で、事業承継やM&Aという言葉に触れる機会が増えたと感じている方は多いと思う。事業承継やM&Aの概要や不動産業界との関わりについて理解し、今後のビジネスに生かしていただければ」と話した。

 まず、中小企業庁の「事業承継ガイドライン」をもとに、企業の「後継者の決定状況」「廃業企業の廃業理由」について説明。事業形態別の廃業予定者割合は、法人経営者が3割、個人事業主が7割であるとした。その理由は、「当初から自分の代でやめようと思っていた」(38.2%)、「事業に将来性がない」(27.9%)が多く、「子どもに継ぐ意思がない」「子どもがいない」「適当な後継者が見つからない」が約3割を占めている。

 事業承継については、「親族内承継」と「親族外承継」、さらに「親族外承継」は「MBO(役員・従業員)」「M&A(第三者)」に分け解説。「親族内承継」は、「後継者として受け入れやすい」「会社を完全に手放さなくて済む」というメリットがあるが、「株式買取資金の捻出や税金対策が必要なケースがあり、相続対策が重要になってくる」(同氏)とした。「MBO」では、メリットを「後継者候補の選択肢が広がる」「比較的引き継ぎが容易」とし、「個人保証を入れる覚悟がいる」「他の役員・従業員が嫉妬するケースも」などのデメリットを示した。「M&A」については、メリットとして「会社売却による利益獲得」「株式譲渡金額について交渉が可能」があるとし、「『承継相手を一から探す必要がある』『経営理念・経営方針が変わっていく可能性がある』などのデメリットを把握しておくことが重要」(同氏)とアドバイスした。


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