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繰り返す地震に対応した耐力壁を開発/ポラス

「Endure Wall」全体。木製ブラケットと「KOAダンパー」(中央)で構成される

 (株)ポラス暮し科学研究所は8日、独自に開発した耐力壁「Endure Wall(エンダーウォール)」を報道陣に公開した。

 同社の調査・検証では、大きな揺れが繰り返し起こることで、一般的な耐力壁では変形が生じるほか、多くの商品で搭載が進んでいる制振ダンパーは摩擦等によって機能が低下する可能性があるとした。今回開発したエンダーウォールは、 木製のフレームとその中央に設置した「KOAダンパー」で構成。建物が揺れた際に、構造躯体である梁の動きに連動して柱が傾き、KOAダンパーに地震エネルギーを伝達。その中にある衝撃吸収材を変形させて揺れのエネルギーを吸収することで、建物に加わる地震エネルギーを少なくし、揺れによる建物の変形を抑える。独自工法による部材同士を強固につないだ木材フレームを用いたほか、「KOAダンパー」に高層ビル等に使用される高剛性な粘弾性体を採用することで高い耐力を実現し、地震後はおおよそ元の性能に戻る性能を確保した。

 当面はポラスグループが提供する注文住宅のオプションとして提案していく。基本枚数は4枚。価格は30~40坪の住宅の場合、坪単価1万円程度。昨年末より営業を開始し、これまで4棟の受注を受けている。

 同社構造グループ長の照井清貴氏は「人生100年時代の中、長く安心して暮らしたい、また地震発生後も自宅で生活したいというニーズが高まっている。戸建住宅商品において制振ダンパーの搭載などが進む中、さらに高い性能を打ち出すことで、他社との差別化を図っていく」と述べた。


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