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森ビル、屋上緑化を利用した制振システムを開発

 森ビル(株)は、(株)山下設計と共同で、従来は構造的負担となる屋上緑化部分の大重量を制振要素として有効に働かせる制振システム「グリーンマスダンパーシステム」を開発した。

 同システムは、建物本体と積層ゴム(通常、免震構造に用いられるものと同じ)により絶縁された屋上緑化部分を揺らすことで、その層間に配されたダンパー(制振装置)が地震エネルギーを吸収することにより建物本体への負担を軽くするというもの。現在特許出願中。

 まずは、2003年春竣工予定の六本木ヒルズ内「劇場棟」(地下3階、地上7階、塔屋2階、最高高さ約47メートル)で採用される。

 また今後は、鉛直支持部材(柱・杭)に耐力的に余裕がある既存の建物においても、耐震改修の一環としてこの屋上庭園を利用することも考えられる。屋上緑化に伴って建物重量は増加するが、制振構造とすることで建物への地震の入力エネルギーが低減するためトータルとしての耐震改修が十分可能となる。

 環境保全と耐震安全性を同時に実現する同システムは、都心部に集中している既存の中高層建物に非常に有効であると両社は考えている。


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