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修繕積立金にリバースモーゲージの融資

 (独)住宅金融支援機構は9日、機構が事務局を務めている「マンションの価値向上に資する金融支援の実施協議会」の2020年度の取組結果と今後の方向性について公表した。

 同協議会は、高経年マンションが抱える課題や民間金融機関が認識している課題のうち、金融インフラの整備の観点から特に重要な課題についての取り組みの実施について検討するため19年度に発足。「マンション管理等関係団体分科会」と「民間金融機関・コンサルタント等分科会」により、マンションの維持管理・再生に向けた取り組みを進めた。

 「マンション管理等関係団体分科会」では、「マンションライフサイクルシミュレーション~長期修繕ナビ~」を20年9月にリリース。21年度は、ナビを補完する「マンション大規模修繕ガイドブック(仮称)」を作成。シミュレーション結果の活用方法の詳細解説のほか、マンションの年代別の仕様の特徴に応じた修繕工事の選択肢や資金的課題の解決方法等を掲載する。

 「民間金融機関・コンサルタント等分科会」では、経年マンション等における修繕積立金の不足分の資金確保を支援する区分所有者向けリバースモーゲージの融資について検討。同機構は今年4月から実施する予定。利用するためには、「融資金を修繕積立金の前払金としてマンション管理組合が一括して代理受領する」「融資金を修繕積立金のみに充当する」「充当された修繕積立金について、共用部分リフォーム工事のために使用する」「当該マンションからの退去等に伴い融資金を完済した場合でも、充当された修繕積立金は、マンション管理組合から返還されない」など、資金使途や管理組合の会計処理等について融資条件に該当するよう、マンション管理規約の改正等を行なう必要がある。そのため機構は、事前相談から開始する。

 また、マンション管理組合向け融資への民間金融機関の参入を支援するため、機構保有データ等を活用した管理組合向け融資における「与信モデル」の構築、同モデルを活用した「管理組合向けサービス」の展開に向けた取り組みも行なった。


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