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国交省、関係人口の拡大・深化へとりまとめ案

 国土交通省は19日、「ライフスタイルの多様化と関係人口に関する懇談会」(座長:小田切 徳美 明治大学農学部教授)の6回目となる会合を開催。「関係人口」の拡大・深化に向けた施策の方向性についてのとりまとめ案を議論した。

 同懇談会では、地域の活動力を高めるキーワードとして「関係人口(住や観光でもなく、単なる帰省でもない、日常生活圏や通勤圏以外の特定の地域と継続的かつ多様な形で関わり、地域の課題の解決に資する人など)」に注目。関係人口の類型化・定量化によりその実態を明らかにした上で、ライフスタイルの変化、シェアリングの拡大、新型コロナウイルス感染拡大等を踏まえながら、地域側の視点を取り入れた関係人口の拡大・深化に向けた施策の方向性を検討。関係人口と連携・協働する地域づくりの在り方についてとりまとめた。

 とりまとめ案では、地域との結びつきの強い関係人口が関わり先を移住先として魅力と感じている点や、災害発生時等にボランティアとして地域を支援するといった点を挙げ、関係人口の拡大施策に取り組む意義は大きいとし、関係人口を増やすため、地域との関わりしろを生み、地域の人と関係人口とのつながりをサポートする「人」(関係案内人や中間支援組織など)「場」(カフェ、商店、ショッピングモールなどの不特定多数の人が集まる接点)「仕組み」(オンラインコミュニティやオンラインイベント、シェアリングなど)が重要であるとした。

 関係人口を拡大・深化させるためには、人々の地域への興味を増進させ、地域に人を誘引するとともに、地域を訪れている人と地域との偶発的な出会いを生み出すことに大きな役割を担う中間支援組織や人材のバックアップ、教育プログラム等による人材の育成、これらの取り組みの継続性の確保、地域情報のさらなる発信と地域教育の見直し等が必要だとしている。

 また行政も、地域、関係案内人、中間支援組織等に対して、つながりのサポートが有効に機能する環境の整備や地域側が活動できる環境の整備 といった支援を行なうべきとした。


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