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福岡でReビル事業初の宿泊施設/地所レジ

「ザ・パークレックス 大濠公園」外観
5階の共用ラウンジ

 三菱地所レジデンス(株)は、既存中小ビル等を再生して賃貸する「Reビル事業」において、「ザ・パークレックス 大濠公園」(福岡市中央区)のリノベーション工事を完了。4日、オンラインにて報道陣に公開した。

 「Reビル事業」は、建物を同社が賃借し、耐震補強工事等のリノベーション工事で再生し、賃貸物件として供給するというスキーム。2014年5月より事業を展開しており、これまでオフィス、住宅等39物件(マスターリース型18棟、取得型13棟、コリビングタイプ8棟)を事業化している。

 今回は、福岡県では博多に続く2事例目で、同事業で初となる宿泊施設へのコンバージョン物件。ファッション小物を展開するブルーミング中西(株)所有の1979年築の物件を、三菱地所レジデンスが賃借してリノベーションを実施。東京と長野でホステル「UNPLAN」を手掛ける(株)FIKAに転貸し、西日本エリア初進出となる「UNPLAN Fukuoka」として、5日にグランドオープンする。

 福岡市地下鉄空港線「大濠公園」駅徒歩1分に立地。敷地面積約417平方メートル、延床面積約1,667平方メートル。鉄筋コンクリート造5階建て。

 外観タイルをそのまま生かすなど、従前の風合いや雰囲気、既存利用できる箇所をなるべく活用してリノベーションを実施している。近隣の福岡市美術館を意識し、赤みのある建具を用い、耐震補強壁はハンマーとノミでたたいて仕上げるビシャン仕上げを採用。隣接する大濠公園の借景も最大限利用できる間取りも採り入れた。
 1階には、ホステルのフロントの他、FIKAが手掛けるカフェ(4月より先行オープン)が入居し、ブルーミング中西の店舗もリニューアルオープンする。2~5階は男女混合・女性専用ドミトリー計62床、1人用ユニットのPOD72床、個室(ツイン・ダブル、和室・2段ベッド4人部屋)計15室を備え、幅広いニーズに対応する。5階は大濠公園を一望する、キッチンやランドリーを備える宿泊客専用のラウンジルームを設置した。屋上も、今後、宿泊客が参加できるイベント等が行なえるスペースとして活用していく計画。

 会見した三菱地所レジデンス常務執行役員の小玉英司氏は、「Reビル事業で初めての宿泊施設。コロナ禍でのさまざまな難局を乗り越えオープンを迎えられたことを喜ばしく思うとともに、大濠公園のランドマークとなることを期待している。今後も当社は、既存ストックの有効利用という社会の要請に応える当事業に取り組んでいく所存」などと述べた。

1人用ユニットのPOD
1階にFIKAが手掛けるカフェが先行オープン


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